ポルシェ・タイカンの日本での価格が発表。最速24分で80%まで充電が可能なピュアスポーツEV【新車】

■150kWの出力なら24分の充電で300kmの走行が可能

以前お伝えしたように、日本への導入を記念して発表会を開催していたポルシェ・タイカン。車名の由来は、エンブレムである「ポルシェ クレスト」の中央にある「躍動する若馬」だそうです。

同ブランド初のピュアEVスポーツカーであるタイカンには、「タイカン4S」「タイカンターボ」「タイカンターボS」の3グレードが用意されています。2020年6月5日、日本仕様の価格が発表されました。

ポルシェ タイカン
ポルシェ・タイカンの走り

「タイカン4S」が1448万1000円、「タイカンターボ」が2023万1000円、「タイカンターボS」は2454万1000円です。

■800vのシステム電圧を備えた初の市販車

最上級グレードの「タイカンターボS」は、ローンチコントロールとの組み合わせで最大560kW(761PS)のオーバーブースト出力を発生。中間グレードの「タイカンターボ」も500kW(680PS)という最高出力を誇ります。

「タイカン ターボS」は0-100km/h加速をなんと2.8秒でクリア。「タイカンターボ」でも3.2秒という怒濤のスタートダッシュが可能だそう。「ターボS」の航続距離は最大412km、ターボは450kmです(WLTP)。いずれモデルも最高速度は260m/h。

ポルシェ タイカン
ポルシェ・タイカンの前後ビュー

タイカンの電圧はEV用の通常400Vではなく、800Vのシステム電圧を備えた初の市販車になります。800Vにより、高出力充電ネットワークの直流(DC)を使えば、わずか5分程度で最高100kmの航続距離に必要な電気を充電可能(WLTPに準拠)。

バッテリーの充電状態が5%の状態から80%まで充電するのに必要な時間は最大充電容量270kWでの理想的な状態において22分30秒。パフォーマンスバッテリープラスリチウムイオンバッテリーの総容量は、最大93kWhです。また、自宅で最大11kWの交流(AC)で充電することができます。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカンのインパネ

タイカンはEVでありながらも、ポルシェそのものといえるスポーツカートしての官能性を備えるとしていて、高剛性かつ軽量ボディ、低重心設計、エアロダイナミクス性能の高さなどを特徴としています。同時に、2モーター、世界最高レベルの高速充電を実現するという800Vの電圧システム、リヤアクスル用に新開発された自動切換式2速トランスミッションなど、革新的な技術も多く搭載されています。

ポルシェ タイカン
ポルシェ・タイカンのセンタークラスター

インテリアでの特徴は、ポルシェ初のフルデジタル式インストゥルメントクラスターで、ホーム画面から各機能に直接アクセスできるオペレーティングシステムも新たに採用されています。

さらに、助手席正面には10.9インチのフロントパッセンジャーディスプレイがオプションで設定され、ドライバー、パッセンジャーに必要な情報を提供されます。

日本仕様のタイカンには、レーンチェンジアシスト、アダプティブクルーズコントロール、サラウンドビュー付パークアシストなど他の市場ではオプションになる多くの装備が標準化されています。

ポルシェジャパンでは、タイカンの日本導入に合わせて独自の充電インフラを展開します。充電器モデルは、国内最速(2020年5月現在、同社調べ)最大150kW級出力のCHAdeMO(チャデモ)規格、急速充電器の「ポルシェ ターボチャージャー」と自宅用の8kW出力の普通充電器「ポルシェ モバイル チャージャー」の2モデル。

ポルシェ タイカン
ポルシェ・タイカンなど、ポルシェEVの充電網

「ポルシェ ターボチャージャー」はABB社と共同開発されたもので、日本でもっともパワフルな150kWの出力により、駆動バッテリーを24分で80%(走行距離300km分)まで充電することが可能としています。なお、これはタイカン4Sのパフォーマンスバッテリー(71.0kWh)を0から80%まで充電したケースで、気温や車両の状態によって変動する場合があります。

「ポルシェ モバイルチャージャー」では、8kWの出力により約9時間で80%以上まで充電が可能。ポルシェのEVは日本国内の充電基準(急速:CHAdeMO、普通:J1772)に対応していて、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、道の駅、駐車場などの公共施設にすでに設置されている20,000基を超える充電器の利用もできます。

ポルシェ タイカン
ポルシェ・タイカンの充電イメージ

さらに、ポルシェジャパンでは都市型充電ステーションとして、東京、名古屋、大阪に「ポルシェ ターボチャージング ステーション」を用意。

150kW級出力の「ポルシェ ターボチャージャー」を1カ所につき2基ずつ設置するのと合わせて、8kW出力の「ポルシェモバイルチャージャー コネクト」を備えることで、短時間滞在用と長時間滞在用として使い分けることができるそうです。

ポルシェ・タイカンは、スポーツカーとしての性能やスペック、官能性だけでなく、EVで不便と思われがちな充電時間の短縮をチャデモ対応はもちろん、150kW級出力の「ポルシェ ターボチャージャー」もユーザーが多い大都市に用意することで、クリアする体制を整えています。

(塚田勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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