先代よりも進化した、新型ハスラーの車内と荷室の広さ、使い勝手【スズキ・ハスラー試乗記】

■乗降性の改善と、多彩なシートアレンジ・高い積載性

以前お伝えしたように、新型スズキ・ハスラーは、NAエンジン車でも十分といえる動力性能を披露してくれます。4人乗車で高速道路を頻繁に走行するのでなければ、NAを指名しても高い満足感が得られそう。

ここでは、室内の居住性を中心に、荷室の使い勝手などをご報告したいと覆います。

スズキ ハスラー
新型スズキ・ハスラー(HYBRID X)の外観

前席は、比較的アップライトな乗車姿勢になるのが印象的で、フロントウインドウはやや天地高が短いものの、視界はまずまず。前席ヒップポイントは先代よりも7mm低くなり、乗降性が向上しながらも、上方視界は先代よりも0.5度拡大したことで、閉塞感もありません。

スズキ ハスラー
中間2段階ストッパーにより、狭い場所でも乗降しやすい。先代よりも力を込めずにドアが閉めやすくなった

全高は先代よりも15mm高くなったことで、前後席ともにヘッドクリアランスは拡大(前席は+29mm、後席は18mm)しています。

惜しいのは、チルトステアリング(35mm可動)のみで、テレスコピック機構がないこと。軽ではチルトステアリングのみという車種が多いですが、ホンダが新型N-WGNで採用し、より適切なドライビングポジションが取れるようになっています。正しい運転姿勢は安全運転にもつながるだけに、コスト増になるとしても新車販売の4割が軽自動車になっている中なので、そろそろ検討する時期に来ているはず。

スズキ ハスラー
新型ハスラーのフロントシート。運転席は前後スライド、リクライニング、シートリフターが備わる

前席よりも特徴的なシートポジションになるのが後席です。後席のヒップポイントが先代よりも5mm高くなったことで、最近の軽自動車の中でもかなり高い位置に座っている感覚。頭上空間を拡大しながら前方の見晴らしがいいのが印象的です。前後席乗員間距離も先代よりも35mm長くなり、後席足元も広く、小さな子どもがいる家族などでもファーストカーとして使えそう。

スズキ ハスラー
後席は左右別々にスライド、リクライニングが可能

後席は左右別々に前後スライド/リクライニングが可能。最後端にすると、足元はかなり広くなります(後突時は心配にりますが)。最後端にしなくても大人2人が前後席に無理なく座れますし、荷物が多い時は後席背もたれを前倒ししなくても荷室奥行きを拡大できます。

スズキ ハスラー
助手席の前倒し機構により、長尺物の積載や車中泊にも対応する

また、キャンプやスキーなどのアクティブな趣味にも答えてくれるのがハスラーの魅力。後席を前倒しすれば、2人でのキャンプにも対応してくれそうですし、スズキお得意の助手席の前倒し機構により、160cmくらいまでの長尺物の積載にも対応します。

スズキ ハスラー
ラゲッジアンダーボックスは脱着可能

さらにラゲッジは、後席背面の防汚処理と防汚タイプのラゲッジフロア、取り外して洗えるラゲッジアンダーボックスなどにより、アウトドアレジャーへの対応も万全。なお、新型はルーフレールの設定がなくなっていますが、アクセサリーでベースキャリア、カーゴアタッチメントなどが用意されています。

(文/塚田勝弘・写真/平野 学、塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる