新モビリティとして電動キックボードの実証実験が水戸・偕楽園で開始

■新世代モビリティの主役「電動キックボード」。その走る姿は名園・偕楽園に馴染むか…

茨城県の居を構える電動モビリティのスタートアップ企業「KINTONE」。同社イチオシの新世代モビリティが電動キックボード「Kintone α」です。小さなタイヤの電動キックボードですが、フロント駆動ということもあって安定感は想像以上。電動ならではのレスポンスのよさもあって短距離を気持ちよく移動できるモビリティといえます。

ただし、現在の法制下においては、この手の電動キックボードは歩道で使うのは速度や出力の関係からNG。公道で乗るにはウインカーやバックミラーなどの保安部品を備えるなどして原動機付自転車としてナンバーをつけて車道を走らなければいけません。そのためクローズドでの利用が中心となっていて、知る人ぞ知るというか、なかなか身近に感じる機会が少ないモビリティとなっています。

Kintone実証実験
「KINTONE」は茨城発の電動モビリティ開発スタートアップ。偕楽園で実証実験期間は2020年4月1日~9月30日

そんな電動キックボードの実証実験が偕楽園で開始されました。

茨城県水戸市にある偕楽園は、日本三名園のひとつに数えられる大スケールの日本庭園。スタッフの移動もなかなか大変です。そこでKINTONE社は茨城県と提携し、偕楽園へ電動キックボード・Kintone αを2台提供しました。偕楽園で働くスタッフがパトロールなど園内の移動に使うことでこれまで徒歩で行われていた移動がどれだけ効率化するかなどを検証するということです。

電動キックボードの有効性を生の声で確認するという実証実験ですが、偕楽園という典型的な「和」の世界において電動キックボードという新しいモビリティがどのように見えるのか、マッチするのかも気になる実験といえそうです。

ちなみに、実証実験で使われるKintone αはすでに市販されているので、誰でも手に入れることができます。クローズドの場であれば乗ることは可能です。

Kintone実証実験
株式会社KINTONEから偕楽園へ電動キックボード・Kintone αが2台提供された
Kintone実証実験
Kintone αは、折りたたんで持ち運びもできる電動キックボード。1回の充電で5km〜10km走行可能

●Kintone α主要スペック
最高速度時速:25km
走行距離:1回の充電で5km~10km
サイズ:900×430×1010mm
折りたたみサイズ:1010×430×230mm
タイヤ幅:5.5inch
重量 : 9kg
バッテリー:リチウムイオン電池
体重量:最大体重125kg
充電時間:4時間
素材:アルミニウム合金

(自動車コラムニスト・山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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