■国内初の「流れるウインカー」は1968年に登場
近年、街中で見かける頻度が高くなったLED式の「シーケンシャルウインカー」。交差点などで右左折の際にターンシグナルランプが、曲がろうとする方向に流れるように点灯するもので、商品性の高さから装備する車種が増えつつあります。
「流れるウインカー」とも表現されるシーケンシャル(sequential:連続的な)ウインカーですが、その起源は意外に古く、国内では1968年11月に発売された日産ブルーバード(510系)SSSクーペに装備されたテールランプ(OPT)に端を発します。
当時は勿論「電球式」で、しかもテールランプと兼用の赤色仕様。日産ではこのウインカーを「ハミングテール」と呼んでいました。
方向指示器の操作により、片側3連の赤色ランプが内側から外側に向かって自動的に順次点灯する当時としては画期的な装備で、点灯時に車内後方から僅かなモーター作動音が聞こえるのが特徴でした。
その後のLEDランプ普及に伴い、国土交通省が2014年10月に保安基準を改正して流れるウインカーを認めたのを機に、アウディがLED式シーケンシャルウインカーを標準装備した「A8」を日本へ導入。
■トヨタ/レクサス車で搭載が加速
トヨタ自動車でも商品性の向上を目的に、レクサス系でLED式シーケンシャルウインカーの装備を展開。2015年発売のLX以降、RX、LS、ESへと搭載を拡大しています。
またトヨタブランドでは2016年発売のC‐HRへの採用を機に、クラウン、ハリアー、アルファード/ヴェルファイアなど、セダン、SUV、ミニバン系を問わず装備しており、高級感の演出に寄与。
一方、ホンダはN-BOX/N-WGNカスタムに、ダイハツもタントカスタムなど軽自動車の上級モデルに採用しています。
デザイン面では、横長タイプのヘッドランプやテールランプが設定条件となるため、どんな車種にもマッチする訳ではありませんが、巷では市販パーツが出回る程の人気ぶりで、コストは張るものの、先進性に加えアピール性(車両が曲がろうとしている方向が視覚的に判りやすい)が高いのが特徴。
ブルーバードSSSクーペでの採用から50年以上が経過。電球式からLEDへと進化を遂げたシーケンシャルウインカーですが、今後も国産・輸入車を問わず、多くの車種への搭載が予想され、もはや「クルマ選び」を左右する必需アイテムになったとも言えそうです。
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