目次
■おっと~ホンダにも飛び火!?で物申す!
●トヨタ、日産、ホンダに元気がないと日本の自動車業界はつまらない!
カルロス・ゴーンさん問題から端を発し「グローバル化の功罪」と題し言いたい放談中の、国際モータージャーナリスト・清水和夫さん、自動車ジャーナリスト・高平高輝さん、石井昌通さんの3名。自動車業界をホンネで喋くるYouTubeチャンネル【SYE(スタート ユア エンジン)言いたい放談】でのヒトコマです!
《清水和夫が炎上覚悟であえて言う!「厄介払いができたと思って、日産はチャッチャと先に進むべし! 」》、《清水和夫がフランス自動車業界の闇を暴露!? スパイ容疑から殺人事件…ミステリアスな真実とは?》と紹介してきました。
日産・三菱・ルノー軍団の今後は? この際だからホンダにも一言物申しちゃう!?と、3名のトークは尽きませんが、今回の3回目でラストです。では、どーぞ!
(※文字的には掻い摘んでいますので、ぜひ動画で全話をお聞きください!)
●ルノー・日産・三菱は、下から上へのボトムアップができるか?
(※前回の最後のお話)
トヨタとダイハツの関係をみていると、完全子会社化して上場廃止したほうが、ダイハツらしい一家言あるものが出てきた気がする。
株式会社だと株価に引っ張られるから忖度したりするんだけど、完全にいちカンパニー制でトヨタの中に入れば、TNGAと違うことができる。明確さが出てきてロッキーが発売されたよね。
三菱の独自性を日産は見なくてはいけません。首根っこ押さえて三菱車開発の主要なところを日産のポストにしちゃうと、日産ナイズしちゃう。三菱のいいところを、三菱が日産にボトムアップするようなディスカッションをしなくちゃいけないよね。
理想は、三菱は独自性をルノー・日産グループの中で持ち、日産はもっとルノーのいいところを学び、結果的にルノー・日産・三菱のシナジーをしっかりと持つこと。
じゃないと面白くないよ! 日本にはトヨタグループしかないし、ホンダもイマイチ元気ないし。ホンダって良いクルマ作るのに事業があんまりパッとしないんだよね~。
日本の風土として巨大なモノづくり組織になると、経営と実際の物を売り出す、というものが昔ほど上手くいかないというか。プロの経営者をヘッドハンティングしてトップに据えても、どうもうまくいかない例が多いんじゃないか?って気がしています。
TNGAのような戦略的なプラットフォームっていうのは、トヨタはプラットフォームを作らないと、いちエンジニアが自由にできない。ホンダが面白いのは、いちLPL(ラージ プロジェクト リーダー)がプラットフォームを立ち上げちゃうんだよね。ホンダのいいところは単品主義。例えば、シビックも次のシビックのLPLは前任者のやったことは全否定、スクラップ&ビルトだから。それがHONDA熱。
●ホンダのクルマは日本の中でワンランク上。本当にいいんだけど…ね
でもそろそろ、原理主義のビジネスと現実主義のビジネスと両面を持っていないと儲からない。最近のホンダ車を見ていると、あきらかに日本の中ではワンランク上のクルマを作っている。でも、世間的に見ればトヨタ・日産・ホンダは同じセグメントで車重、パワー、燃費が決まれば価格はこれくらい…ってあるじゃない。ホンダがいくら拘っていいものを作っても、そこにプラスαのプライシングでお客様は納得してくれないから。
本当はブランド的には「HONDAプレミアム」というか、ホンダらしさは間違いなくあるんだけど、でも、ビジネスの世界ではそこにプラス5万円、10万円のお金を払えるブランドになっているか?っていうことだよね。ホント、クルマはいいんだよホンダは…。
日産とホンダが対照的? 足して2で割れば丁度いいかも。『ホンニチ自動車』!?(笑)
ゴーン時代の日産は、日本のマーケットは台数が出ないからほとんど投資をさせなかったけど、でも今はそのゴーンさんがいなくなったんだから、ちゃんと日本でいい日産車をやろう!って機運になればね。副社長たちがボトムアップさせて、会社の中を鍋の底からひっくり返すくらいなことをやったら、まだ日産にはチャンスがあると思うよね。
「数字は嘘つかない」って言うけど、「嘘つきは数字を使う」っていうのがあるから。論客ではなく、手を汚し、汗をかき…、そうしてもらいたいね。みんながウワ~!っというような、さすが技術の日産!!っていうようなクルマを出して欲しいです。
ボクの尊敬するエンジニア、引退されたけどマツダの金澤さんは、図面も書けるし、数式も解けるし、スパナも持つし、ハンドルも持つ。で、スカイアクティブを実現させた立役者なんです。
しかし、そういう先輩方の貢献が継承されない風土の会社ってありますよね。その人の知識や経験を、なぜ周りの連中は吸収して次に伝えないんだろう?って。それをやっているのは、トヨタ。トヨタは常に危機感を持っていますから。
●数字には出ないドライバーの感覚や声を設計部に聞いて欲しいね
日産の901活動は、「ドライバーは神の声だと思え!」って厚木のトップが決めたんです。で、栃木のドライバーの加藤博義さん(車両実験部テクニカルマイスター。現代の名工、黄綬褒章を受賞)の言うことが、ちゃんと厚木のエンジニアに届いていたんです。
でも、その901活動が終わったら、設計が偉いってことになる、キャリア組がね。現場のドライバーと設計のキャリア組は下士官と軍曹、みたいな関係。だから、数値にはならないルノーのハンドリングのしなやかさなど、現場のドライバーたちはそれを厚木に対して説明ができない。そんなことが20年以上もモンモンと続いているんですよ。
トヨタが上手くいったのは、豊田章男社長がクルマ好きだから、「現場のハンドルを握る人たちがクルマを見なくてはいけない!」と社風を変えたんだよね。それで、感覚で見る「匠」と数字で評価する「設計」とが上手くやるようになったんです。
●トヨタのヤリス、ホンダのフィット…どう盛り上がるのか?
ヤリス(ヴィッツ)とフィットは、両車ともちょっとフランス車っぽい雰囲気があると。トヨタもホンダもヨーロッパ市場を本気に狙って真面目に作ったクルマだったから、評価も高かったんです。でも、両メーカーともアメリカや中国など急に台数が増え、そしてモデルチェンジしたらコスト的にホールディングバックして…。
トヨタは年間50~60万台ずつ増えていったのが、2000年くらい。もう何でもいいからクルマを作れ!みたいな勢いだった。工場が足りない、工場を作って何を作ろう、みたいな流れだったのが、2000年代に起こったグローバリズム。でもリーマンショック以降はトヨタも大きなお灸をすえられたんだけど、でも、そんな時でもホンダは赤字にならなかった。
トヨタも8000億円くらいの赤字を出したほど地獄を見たんですよ。でも、ホンダはギリギリセーフ!って。やっぱり人間は地獄を見ないとね。マツダも見たし、スバルはずっと地獄!? でも今は春(笑)!
地獄を見ながら社会のためのクルマ作りをもう一回やって欲しいね。
メーカーである限り、「やっちゃえ!」とかどんなにカッコいい言葉を使ってコマーシャルが上手くてもしょうがなくて、カタチになったものをみんなに買ってもらって「よくやった!」って言ってもらえて、そこで初めて変わったなって判断されるよね。それが出てくるのを本当に期待しています。
日産は、軽自動車とスカイラインのビッグマイナーチェンジでのバイワイヤーをものにしたり、日産にも光るものはまだあるんだよね。今の日産はアメリカビジネスだから、ちゃんと日本のメディアに今日産はどんなクルマを作っているんだ!って現在地を示して欲しい。
とにかく日産が元気にならない限り、トヨタ一極だとつまらないし、ホンダはイマイチつまらないし…クルマはいいんだけど。
新型フィットがこれまでと違う新しいホンダみたいな表現ができるし、プロトタイプに乗ってもけっこう良かったしね。4WDも期待できるし。これでホンダが上昇気流に乗れればいいなって。
ホンダeっていう新しいRRの電気自動車も出てくるんだけど、これも良さげなんだけどね。
まぁ、ゴーンさんの話から入ったけど、もうゴーンさんの話はスルー! 週刊誌ネタ、2ちゃんねるにお任せして、これから日産がどういうクルマを作るのか注目していましょう。日産とホンダと三菱にも頑張ってもらって!
(出演:清水 和夫・高原 高輝・石井 昌通/アシスト:永光 やすの/動画:StartYourEnginesX)
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https://clicccar.com/2020/02/15/954929/
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