目次
●手頃だけど本格的! ホンダS2000の存在価値は唯一無二
代表取締役の石川賢志さんは開口一番、「このお店をオープンしたのが2018年4月です。その当時は昔ほど安くはありませんでしたが、それなりの相場でした。2019年になって急激に相場が上がったのは確かです」と教えてくれました。では、その理由とは?
「単純にホンダ車を扱う店(HMR HONDA)が一つ増えたから、ということが考えられます。特に当店はS2000に力を入れていますので、その分取り合いになりますよね。EKシビックやDC2インテグラ・タイプRは確かに海外の25年ルールの影響もありますが、S2000に関しては純粋に国内相場だけの話です」
HMR HONDAさんのデモカーは石川社長の個人所有車だったS2000をベースに作り上げられたものですし、中古車の在庫も常時2ケタ以上を揃えています。でも、お店が一つ増えただけでそれほど相場が上がるものでしょうか。
「実は当社では、ボクサーエンジンのスバルを専門に扱うブランドも立ち上げています。トヨタ86やスバルBRZも得意なのですが、同じスポーツカーとして見た時、S2000は強烈な個性と楽しさに溢れています。9000rpmまで回るエンジンなんてそうあるものではありませんし、オープン2シーターですから完全に趣味のクルマです。86やBRZを手放す方は他に欲しいクルマができたからとか、もう飽きたからという理由が多いのですが、S2000は本当は手放したくないけれど経済的な理由や家族構成の変化などが理由であることが多いですね。それだけ強く愛されているクルマなんです(石川社長)」
どうやらここにヒントがありそうです。現在、国産の新車ラインナップからFRのスポーツカーを探すとトヨタ86&スバルBRZの2車以外には日産フェアレディZやトヨタ・スープラがあるくらいです。そして後者は価格帯が86・BRZより上です。手頃なFRスポーツは86・BRZしかなく、新車販売価格は250万円から350万円。それと同じか安い金額で中古のFRスポーツを探すと、必然的にS2000が候補になります。そして86・BRZとS2000を乗り比べた時、S2000の方が面白いと感じる人が多いということです。
また、S2000は生産終了から11年が経ちました。そろそろ程度の良い個体が少なくなり始めていますので、楽しむなら今のうちと考える人が増えたこともあるのでしょう。ホンダが次にFRスポーツを販売する可能性は極めて低いと思われます。さらにS2000はスタイルに品がありますから、免許取り立ての若い方から50〜60代の方まで幅広いユーザーに支持されています。これらが相場を上げた理由かもしれません。
「初めはAP1の相場が上がりました。2、3年前ですと非常に買いやすい環境でしたので、安いものがどんどん値を上げていったんです。AP2はまだ安定していたのですが、AP1の相場が上がったことでAP2との差が少なくなりました。すると、AP2の相場も上がり始めたのです(石川社長)」
S2000はターボではなくNAエンジンというところにもポイントがあるようです。石川社長も「ホンダ車はスカイラインGT-Rやスープラ、シルビア、ランエボ、インプのようなターボ車ではなくて壊れにくいです。複雑な制御も多くありませんので、長く楽しめます。S2000の相場はまだまだ上がると考えています」と教えてくれました。
●中古S2000を選ぶ際はエンジンの吹け上がりを要チェック!
結論として、S2000が欲しいなら今が買い時であると断言しましょう。すでにお買い得な時期は過ぎてしまい、今後しばらくは相場を上げ続けると思われるからです。石川社長も「欲しい時が買い時です」とアドバイスしてくれました。
中古車を選ぶポイントは、重度の修復歴がある個体は敬遠すること。S2000は精度が高いクルマなので、完全に修復するのは至難の技です。また年式的に10万キロ以上の個体が珍しくない状況ですが、壊れにくいエンジンですので、距離だけで判断するのではなく吹け上がりを確認しましょう。中には低回転ばかり多用して回り癖のついていないものもあります。
購入した後で気をつけるべきはリヤのハブベアリングです。また、激しい走りをするとドライブシャフトやデフのリングギアが破損することもあります。これらはリヤブレーキがソリッドディスクであるため、熱を持ちやすいことが関係しています。ただHMR HONDAさんでは納車整備をしっかりされていて、消耗部品やトラブルになりそうなポイントは徹底的に整備されるそうです。また半年ごとの無料点検を実施されているので、良い状態でキープできそうです。
それでは、HMR HONDAさんで見つけたホンダS2000の中古車をご紹介しましょう。