■EVの「V2H(Vehicle to Home)」には追加費用が必要
2019年の台風被害で千葉県を中心に長い間、停電が続いたことでEV(バッテリーEV:BEV)やPHV、HVなどを「走る蓄電池」として使う用途が注目を集めました。それ以前にも東日本大震災などで電動車が活躍してきました。
BEVは充電が必要ですが、比較的大容量の電池を搭載しているため、充電量さえあれば家庭に給電したり、家電を動かしたりするのに向いています。PHVやHVは、ガソリンや軽油を給油できればエンジンを発電機として使えるため、やはり「走る電源」としての機能を果たしてくれます。
日産では、リーフを使った「V2H/VtoH」を積極的に展開。なお、「V2H/VtoH」とは「Vehicle to Home」の略で、EVなどのバッテリーに蓄えた電気を家で使う給電システムのことです。ほかにも、クルマと電力系統との間で電力を融通し合う「Grid to Vehicle(G2V)」や車両から電力系統に電気を供給する「Vehicle to Grid(V2G)」などもあり、「G2V」や「V2G」などは各地で実証実験が行われています。なお、1500Wではe-NV200が対応していて、2019年に行われた先進技術取材会ではアイスの試食もできました。
クルマのユーザーにとって、万一の際に愛車が「走る蓄電池」になるかは、まずは1500W電源に標準もしくはオプションで対応しているかどうか、というのがチェックポイントになります。電化車両のすべてが1500W電源に対応しているワケではなく、三菱アウトランダーPHEVをはじめ、トヨタはプリウス、新型ヤリス、C-HRなど多くの車種で設定しています。