●タジマEVが出光と協業でマイクロEVのカーシェアリングに乗り出す
タジマEVは東京モーターショー2019に数多くの電気自動車を出展しました。
6枚ドアのイーランナー GSM6は国土交通省が提唱する20km/h未満の走行する電動の新モビリティで、観光地や施設、過疎集落の人員輸送を目的とした低速車両で人が移動する様々なシーンでの活用を目指しているとのこと。
少人数でも運用しやすい6名乗車、狭小路での取廻し性に優れた軽自動車同等のサイズ設定で3列シートに6枚のドアを持っており、乗り合い車両として使用した際にはどの座席からでもスムーズに乗降できるようになっています。
タジマEVの田嶋伸博社長によれば、超小型モビリティや小型モビリティを地域活性化に活かすために電気自動車は欠かすことの出来ない存在である、とのこと。そういった観点からタジマEVは様々な小型、超小型の電気自動車を出展したということなのです。
その地域活性化の一つとして、出光興産による「超小型EVを活用したMaaS事業の実証実験」に採用されたのがタジマ・ジャイアン カーシェアリング仕様車です。
タジマ・ジャイアン超小型モビリティに、KDDIのカーシェアリング予約システムを搭載し岐阜県高山市での実証実験には7台の車両を地域のサービスステーションを通じてカーシェアリングサービスを行っています。
石油製品、ガソリンなどのブランド「出光昭和シェル」を擁する出光興産がなぜ電気自動車事業を手掛けるのか?というと、出光興産の木藤俊一社長は「出光は化石燃料を販売するだけではなく持続可能なエネルギーとして太陽光発電の開発も手掛けています。すでに出光昭和シェルのサービスステーションでは屋根に出光で作る太陽光パネルを設置したところが数多く存在します。そんなサービスステーションを活用し地域のお役に立つためにタジマEVと協業でカーシェアリングなどの電気自動車事業を進めていきたいと思います」と語ります。
現在岐阜県高山市で行われている実験の先を見据えた超小型モビリティがイーランナー ULP1。少人数の近距離移動に最適化した小型で利便性の高い超小型モビリティで、電気自動車の特徴である静かさや環境負荷の少なさに加えて視界の広さや乗降のしやすさを追求し、高齢者から若年者まで年齢や性別を問わず誰にでも運転しやすく安全な車両を開発したとのこと。
「所有から使用へ」人とモビリティの関係性が変化する中、カーシェアリング等での活用を目指してるようです。
デザインはKen Okuyamaことデザイナーの奥山清行さん。プロジェクトのやる気を感じます。
奥山氏がデザインしたイーランナーには貨物型もあり、これは住宅街での配送業務での静音性や小回りの追求で、いわゆるラスト1マイルでの配送の利便性を見据えたものとのこと。
また住宅地や観光地などのコミュニティバスの提案として最高速度を60km/hに抑えた小型の23人乗り電動バスであるイーランナー EMB23も公開し、地域コミュニティに特化したタジマEVの特徴を表現しています。
「身近な地域コミュニティにこそ電動化が必要である」というタジマEVの主張がよく分かる展示となっています。
(写真・文:松永和浩)