樹脂製パーツを生産するマーレは電動車のバッテリー冷却用パネルを出展【東京モーターショー2019】

●内燃機関の性能の向上と、次世代車の核となる電動車。両面に対応するマーレ

2019年10月25日から一般公開をされている第46回東京モーターショー2019。南展示場4階にはタイヤをはじめ、様々なサプライヤーのブースが並んでいます。その数多くあるブースの中からマーレを紹介します。

マーレのブース
ブルーの文字がクリーンな印象を与えるマーレのブース。

マーレはドイツが本拠地のサプライヤーですが、約50年前に日本での事業を開始。エンジンに使用されるピストンでは、日本の商用車は約80%という高いシェアを誇り、乗用車でも同様に高いシェアをもつ日本に根付いたサプライヤーです。

マーレのパーツ02
商用車だけでなく、乗用車でも高いシェアを誇るピストン。

マーレは1982年にエンジンの樹脂ヘッドカバーを開発。出展された製品は肉厚1.5ミリという薄さを実現し、すでに量産され多くの自動車メーカーに採用されています。このヘッドカバーで確立した技術を応用し、樹脂オイルパンの量産化を実現しました。

さらにマーレはクルマの電動化にとって重要なキーポイントとなるバッテリーに着目。

マーレではバッテリー本体は手掛けていませんが、熱による性能の変動が大きいバッテリーにとって冷却装置は重要です。そこで、マーレは冷却パネルを含めたバッテリーケースの開発・量産化を進めています。ここにもヘッドカバーで蓄積された樹脂成形技術が貢献しています。

マーレのパーツ03
バッテリー本体は開発していないが、安定した性能を発揮できるように冷却パネルを開発中。

そして、電動車で動力源となるのがモーターです。すでにマーレは製品化しており、クルマ用だけでなく、2輪車用も出展しています。年間1000万台以上という東南アジアやインドの2輪市場で環境対応は急務となっており、販売の準備を進めています。

マーレのパーツ03
四輪車だけでなく、二輪車のモーターを開発した。

マーレは従来の内燃機関のさらなる性能の向上と次世代車の核となる電動車、両面の対応を「デュアルストラテジー」というスローガンを掲げて取り組んでいます。

(萩原文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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