大型二輪の教習に通っているのに400ccの気持ちよさに気付く【RRR・第三回】

お盆の時期は教習所も混み合っていて、なかなか通うことができず第二段階の途中で2週間ほどのブランクが空いてしまいましたが、8月の後半になってラストスパート。卒業検定に向けて、法規走行を徹底すると同時に波状路などの課題もクリアできるよう練習を繰り返します。

おそらく公道で流れに乗っているだけであれば20~30分の運転で息が上がるようなことないでしょうが、こうした練習をしていると20分程度で体力的な限界を感じてしまいます。やはり、もっと若いころにチャレンジしておけばよかったと思うつつ、逆にこれからどんどん体力が落ちるのだから、思い立ったが吉日とすぐに入校してよかったと頭を切り替えてみたり。

そして技能教習・第二段階の終盤ではライディングシミュレーターを使った時間があります。そこにあったのはホンダ製のシミュレーターで、まるでオートバイゲームのような筐体ですが、ちゃんと車体が動くなど本格的。ペダルの操作感はスイッチ的で、あまりリアリティは感じませんが、予想以上にリアルに作り込まれているものでした。

ホンダ ライディングシミュレーター
ホンダ・ライディングシミュレーター

危険なシチュエーションを勉強するためのシミュレーターですから、当然なのですが画面の中で周囲を走っている四輪車の運転がどれも荒っぽいのが印象的。さすがに、そうした四輪のトラップは想像していたので避けることができたのですが、高速道路での強い横風というのは対応できずに、クラッシュ。実際であれば、命の危機といえるような事故を起こしてしまいます。

それにしても、どちらが良い悪いではなく、二輪と四輪が事故を起こせば、大きなケガをするのはほとんどのケースで二輪ライダーです。相手を信じるのではなく「かもしれない」を意識して運転しなければ、という気持ちを新たにしたところで、最後の技能教習の時間がやってきます。

6月から8月という季節に通っておきながら、ここまで雨に降られたことはなかったのですが、最後の技能教習で初めての雨。ウェットコンディションは明らかに滑りやすく緊張します。ここで「みきわめ」をもらわないと卒業検定を受けられないという気持ちも緊張感を高めますが、初めての波状路と一本橋を同時にクリアできたことで気持ちは落ち着いてきます。

一方で、車線変更が中途半端であること、加速のメリハリがイマイチであることなど法規走行での課題も指摘されます。

結果的に、技能教習・第二段階のみきわめをいただくことができ、教習は規定の12時間でクリアしましたが、けっして順調という印象ではありません。はたして、この状態で卒業検定を受けても大丈夫なのか? 緊張の卒業検定の様子は次回、お伝えしましょう。

<RRR・第四回へ続く>

(山本晋也)

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この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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