●新型MIRAIのコンセプトモデル「MIRAI Concept」が初公開
トヨタのFCV(燃料電池車)の「MIRAI Concept」がお台場のメガウェブ会場で行われる「FUTURE EXPO」で初公開されます。次期MIRAIのコンセプトモデルです。
クラウンやレクサスLSなどと同じプラットフォーム「TNGA-L」を使いながらも、20インチの大径タイヤを履かせるなど、同コンセプトカーに合わせて大幅に作り直され、ダイナミックなフォルムを得ています。
さらにFCシステムを一新することで、FCVとしての性能を大幅に進化。航続可能距離を従来型から約30%延長することを目標に掲げているそう。
ひと目でダイナミックなフォルムになった「MIRAI Concept」は、ベースとなるプラットフォームからしても1クラス上の上級セダンになったと考えて良さそうです。
サイズは全長4975×全幅1885×全高1470mm、ホイールベースは2920mm。ホイールベースはクラウンと同値で、サイドビューは、クラウンと同様にいわゆる「6ライト」ウインドウが採用された、伸びやかなフォルムが印象的。
駆動方式はリヤモーターの後輪駆動。FCスタックの搭載位置などは現時点では明らかにされていませんが、後席下のほか大きなセンタートンネルにも配置されているかもしれません。
さらに、5名定員になったのもトピックス。車内の撮影をしない条件で座ることができましたが、前席は「TNGA-L」らしいゆとりのあるワイドなシートで、後席は前席座面下につま先が入る程度ですが、居住性は改善されているように思えます。
ただし、FCスタックかどうかはまだ分かりませんが、ワイドで背の高いセンタートンネルが鎮座していて、後席中央席は足元が狭く、大きく足を開く必要があります。後席に3人掛けするのは現実的ではなさそう。それでも、5名定員という諸元はビジネス的にプラスに働くはず。
先代同様に、主査を務める田中義和氏によると、リニアなハンドリングや加速フィールなどの走りや静粛性の面でも大きく進化したとしています。
シンプル&モダンが掲げられた室内は、ドライバーを包みこむようなインパネと12.3インチのワイドモニターによる先進性、さらに運転する楽しさも提供するとしています。
コンセプトカーのボディカラー「フォースブルー マルチプルレイヤーズ」は、トヨタとしての新規色で、現段階ではあくまでコンセプトカー向けのボディカラーのようですが、複層工程による鮮やかさ、深みによる印象的なブルーに仕上がっていて、FCVという先進性をアピールするカラーには打ってつけという印象を受けます。
気になる「MIRAI Concept」の市販モデル、つまり2代目MIRAIは、日本、北米、欧州などにおいて2020年末からの発売が予定されています。
(文/写真 塚田勝弘)