【サーキット女子に聞いたモータースポーツの魅力】その5・高家望愛さん「好きな事をとことん情熱持ってやっていれば、お金も人もついてくる」

●ターニングポイントになったチームつちやの土屋春雄前監督の一言

とかく男の世界と思われがちなモータースポーツの世界。ところが最近は競女カップやWシリーズなど、ドライバーを女性限定にしたカテゴリも発足するなど、モータースポーツに関わる女性も増えてきました。

そんなモータースポーツの中でも、ドライバーとしてではなく、あくまで主役を支えるかたちでモータースポーツに関わっている女性たちは、一体どんなところにモータースポーツの魅力を感じているのでしょう?

そんなちょっとした疑問を、実際にモータースポーツの現場にいる女性に聞いてみようというこの企画。

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25号車への愛情がたっぷり感じられます

第5回目は、レースクイーンの仕事で関わったラリーにドライバーとして自らも参戦するようになった、モータースポーツ好きの高家望愛(のあ)さんにお話を伺いました。

── まずは高家さんの経歴から教えてください

よろしくお願いします。

私は2013年に富士スピードウェイイメージガール・クレインズでサーキットクイーンデビューしました。クレインズを2年間務めた後、15年からは3年間VivaCつちやエンジニアリングでスーパーGTレースクイーンを務める傍ら、16年と17年にはTOYOTA GAZOO Ladyとしても活動させていただき、17年をもってレースクイーンを引退しました。

── サーキットクイーンになったきっかけってなんでしょう?

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コントローラーでもファンサービスに余念がありません

中学生の時にテレビでやっていたF1中継が好きで、月曜日には学校でレースについていろいろ話す仲間がいました。そのメンバーのうちの一人に「高家さん将来レースクイーンやれば?」って言われて、「やってみたいな」と思ったのが最初ですね。

その後事務所に入ったのもレースクイーンになりたいと思って自分から行動しました。

── なるほど。モータースポーツを好きになった最初のきっかけはF1っていうことですね

はい。ちょうどジェンソン・バトン選手が現役で走っている頃でした。なので(去年スーパーGTで実際に現場で見るようになって)遠目からみてキャーってなってます(笑

── あはは。その気持ちはよくわかります。ではそこからどんどんモータースポーツを好きになっていったんだと思いますが、いったいどんなところに魅力を感じたのでしょう?

実際にモータースポーツに関わるようになったのが富士スピードウェイのイメージガールだったので、スーパーGTだけじゃなくいろんなカテゴリのレースを見る機会に恵まれて、2年間である程度その違いがわかるようになって楽しくなったんです。

そうしたら次は、一つのチームをじっくり見てみたい、もっと深堀りしてみたいなと思うようになって、そこでスーパーGTのチームのレースクイーンのオーディションを受けてVivaC(現ホッピー)のレースクイーンになりました。

ちょうど15年は、つちやエンジニアリングがスーパーGTに復活するっていうタイミングで、どんなチームなのかもわからなかったですし、私も偶然、レースクイーンとしてチームに参加するようになったんですけど、とてもアットホームなチームで、(レースやチームの)中の中まで見せてもらえました。

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岡島さんとは長い付き合いで息もぴったり

あと、このチームは私の価値観を変えてくれたチームでもあるんです。

当時、この(レース関係の)仕事って不安定なのかなと思っていたんです。そんな時、当時の土屋春雄監督(土屋武士監督の父)が、「好きな事をとことんやりゃあいいんだよ。好きな事をとことん情熱持ってやっていれば、お金も人もついてくるから」ってぼそっとおっしゃったんですね。

その時の私は、えーっ、そんなことってあるかなって思いながらも、じゃあやってみようって思ってやってきたら、本当にそうなった。

なので、このチームに参加できたことは私の中でのターニングポイントだと思っています。そしてそんな心に残る、大切なことを教えてくれたチームだからこそ、ちょっとでも役に立ちたいと思って、今はこうしてコントローラーとして参加させてもらってます。

── なるほど。それは素敵な言葉ですね。そしてそうこうしているうちに今度は自分も実際に走る側になってしまったんですね

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画像提供:高家望愛さん

そうですね。ちょうどGAZOO Ladyの時に全日本ラリーやTGRラリーチャレンジを見に行かせてもらったのがきっかけですね。その時モリゾウ選手も走っていました。

17年からラリーに参戦して、今はインターR(国際Rライセンス)を取ることを目標に頑張っています。

── すっかりモータースポーツにハマってしまったようですね。それでは最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします

私もモータースポーツをテレビで見るのも、レースの展開とかがわかってすごく好きだし楽しいんですけど、サーキットに来てみると、ドライバーさんの表情だったりメカさんの動きとか、その前後のレースの展開の伏線も見ることができるので、もっと深くレースを見ることができると思います。

グリッドウォークも面白いので結構好きで、例えば雨の降りそうな時とか直前までみんな真剣な顔してタイヤをどうするのか悩んでいたり、チーム同士の微妙な駆け引きとか、テレビに写っていない事を実際に見ることができるのがサーキットの魅力だと思うので、そんなところを見にサーキットに足を運んでもらえたらなと思います。

それから、サーキットを走ってみるのも楽しいと思います。映像で見ていても例えば高低差とかって意外とわからないと思うんです。実際走ってみると、こんなに登ってたんだとか、だからこうなのかとか、ここはこういうラインで走るんだとか、じゃあプロ(ドライバー)はどうやっているんだろうっていうのを考えると、より楽しくなってくるんじゃないかと思うので、スポーツ走行とかもお薦めですね。

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今シーズンフル参戦が危ぶまれたチームですが、残り2戦も頑張ってもらいたいです

レースクイーン、コントローラー、そしてドライバー。モータースポーツのいろんな場所で活躍した高家さんだからこそ感じたモータースポーツの魅力や言葉の重みが感じられるインタビューとなりました。

ぜひ皆さんもサーキットにレースを見に、そして実際に走りに行ってみてはいかがでしょうか?もしかしたら高家さんのようにハマってしまうかもしれませんよ?

それではまた、次回もお楽しみに!

(H@ty)