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その昔、某市販自動車走行動画セルビデオ(簡単に言うとベストモータリング)において「極悪・シミちゃん」と恐れられていた(笑)国際自動車評論家・清水和夫さん。その清水さんが自動車業界の様々なこと…徹底試乗テスト、自動車社会問題提起…などを語るYouTubeチャンネル「Start Your Engines」内で好評の「頑固一徹・和 試乗」コーナーをclicccarでも特別公開しています。今回試乗したのは「ホンダCR-V ハイブリッドEX マスターピース 4WD」です。
日本の中で今、一番の激戦区!と言われるCセグメントSUVの世界で、2モーター・ハイブリッド・システムを搭載するCR-Vを、頑固・清水和夫さんはどう見たでしょう!?
■ホンダの2モーター・ハイブリッド・システムは、トヨタのTHSよりEVチックに走れる
さぁ、ホンダの「CR-VハイブリッドEX マスターピース 4WD」です。このクルマはオーストリアの国際試乗会で昨年2018年に乗りました。その前には雪道でも乗りましたね。
今回のCR-Vはホンダが今、主力にしているパワートレインで、2モーター・ハイブリッド・システム「SPORT HYBRID i-MMD(スポーツ・ハイブリッド・インテリジェント・マルチ・モード・ドライブ)」を搭載しています。トヨタの2モーター・ハイブリッド「THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)」と同じ2モーターですが、そのシステムはひとつのモーターが発電側に回って、もうひとつが駆動する、というもの。
トヨタのTHSよりもホンダの2モーター・ハイブリッドのほうが、モーターで走れる領域がより高いスピード域まで引っ張っていけるんですね。なので多分、THSと比べてみるとわかると思いますが、CR-VのほうがEVチックに走れるんじゃないかな、という気がします。しかも、これだけ静かでトルクフルに走れるのに、燃費もメチャクチャいいです。
この辺の技術ですが、日本はこんな複雑なシステムを量産できて、品質と耐久性を上げて、しかも400万円くらいで市場に提供できるというのが強いんです。ドイツから見たらもの凄く怖い存在なんですよね。
BYD(比亜迪/中国)のプラグイン・ハイブリッドを作っているチームからも、「三菱のアウトランダーのプラグインがなんであんなに安くできるのか?」って質問されたことがあります。実は、それくらい日本は良いものを安く作れる技術と生産システムを持っているのですが、なぜか販売面ではこういったクルマが売れてみんなが幸せになっている…っていう感じがないんです。
●CセグSUVの世界は、まさに激戦区!
イヤ~ほんとに、何買おうか迷っちゃうよね。この世界は今のところこのCR-VとRAV4とフォレスター、ここにマツダのCX-5やCX-8、あと三菱のアウトランダー・プラグインハイブリッドも入ってきますから、まさに国産CセグメントSUVの激戦区ですね。
マツダはハイブリッドが無い代わりにディーゼルという魅力的な商品を持っているし、それに3列シートのCX-8がありますからね。とにかくマツダのCX-5、CX-8も魅力的です。
ディーゼルを取るかガソリン・ハイブリッドを取るか、2列シートにするか3列シートにするか、大きいサイズにするか中型サイズにするか、走りっぷりはちょっとヤンチャチックなフォレスターみたいなイケイケにするか、あるいはアウトランダーのようにプラグインハイブリッドを選ぶか。
ン~まさに日本は多様性ですね。いろんなものがある。自分たちのライフスタイルに合わせてクルマが選べますね。
●頑固・清水和夫さん…実は流麗なマツダ・ディーゼルに乗りたいって!?
そうそう、肝心なデザインですよ。見た目も大事ですからね。CR-Vはタマゴみたいにコロンと丸まってます。またフォレスターは最近のスバルのデザインの風味を入れているのでちょっとエッジを立ててキュキュって感じ。RAV4もどちらかというとちょっとガンダムチックになっています。丸っこいのがいい人はCR-Vですね。
でもまぁココで言うのもナンですけど、デザインでいったらマツダでしょうね。そういう意味ではCX-5ディーゼル、CX-8ディーゼル、この辺は買って損はしないなって気がします。
ただADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転システム)に関してはトヨタとホンダの最新のADASがよくできていると思いますね。
【頑固一徹 総合評価】(5段階評価)
★★★★ 12点
【頑固一徹 評価ポイント】(5段階評価)
パワートレイン:和和和和 4点
シャシー性能:和和和和 4点
インターフェース:和和和和 4点
(試乗:清水 和夫/アシスト:永光 やすの/取材協力:本田技研工業)
【SPECIFICATIONS】
車名:ホンダ CR-V ハイブリッドEX マスターピース 4WD
ボディサイズ:全長4605mm×全幅1855mm×全高1690mm
ホイールベース:2660mm
トレッド前後:F 1600mm/R 1615mm
車両重量:1700kg
エンジン:2.0L DOHC i-VTEC+i-MMD
エンジン排気量:1993cc
ボア×ストローク:81.0×96.7mm
エンジン 最高出力:107kW(145ps)/6200rpm
エンジン 最大トルク:175Nm(17.8kgm)/4000rpm
モーター 最高出力:135kW(184ps)/5000~6000rpm
モーター 最大トルク:315Nm(32.1kgm)/0~2000rpm
トランスミッション:電気式無段変速機
駆動方式:全輪駆動(AWD)
サスペンション:F マクファーソン/R マルチリンク
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク/R ディスク
タイヤサイズ:235/60R18 103H(F/Rとも)
燃料消費率 JC08モード:25.0km/L/WLTCモード:20.2km/L
車両本体価格(税込):4,361,040円
【清水 和夫 プロフィール】
1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業
1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。
【頑固一徹試乗とは?】
国際モータージャーナリスト、清水和夫が斬る試乗インプレッション『頑固一徹テスト』。頑固一徹・清水和夫が独自の目線でチョイスした新型モデルを、パワートレイン、シャシー性能、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)の3分野で評価、採点し、その合計点によって5段階で評定します。
■頑固一徹 総合評価指数
1〜3点→★(評価1)
4〜6 点→★★(評価2)
7〜9点→★★★(評価3)
10〜12点→★★★★(評価4)
13〜15点→★★★★★(評価5)
■頑固一徹テスト 試乗インプレッション
評価軸(3項目)&評価ポイント
パワートレイン 5段階評価(1〜5点)
シャシー性能 5段階評価(1〜5点)
ヒューマンマシンインターフェイス 5段階評価(1〜5点)
【関連リンク】
Start Your Engines HP
https://www.startyourengines.net
国際モータージャーナリスト、清水和夫が主宰する自動車専門動画ウェブメディア。クルマの限界性能と安全性を徹底的に試すダイナミック・セイフティ・テスト(DST)を始め、国内外の新車インプレッション、注目度の高まる先進安全技術、自動運転など、クルマに関するあらゆるジャンルの動画をサイトアップしています。ぜひぜひ!チャンネル登録のうえご視聴ください。
Start Your Engines X
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX