【SUPER GT 2019】Moduloサポート2台の鈴鹿、季節外れの暑さが生んだ悲喜こもごも(PR)

果たして、決勝レースは如何に?

明けて26日の午後、14時30分から始まる決勝レース。

GT300クラスの34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3は予選7番手の7番グリッドからスタート。開幕の岡山、第2戦の富士500kmと大雨のレースを観てきた者にとっては嬉しい青空の見えるスターティンググリットとなります。しかし気温は30℃、路面温度も42℃という真夏のような暑さは季節外れというほかありません。ModuloのレースクイーンであるModuloプリティも急遽夏のコスチュームでスターティンググリッドに登場します。

Modulo KENWOOD NSX GT3の道上選手、大津選手もクールスーツ着用とのこと。またグリッドでの暑さ対策でしょうか、充電式のブロアで風を浴びています。

そんな暑さの中の14時30分、白バイやパトカーの先導によるパレードラップからフォーメーションラップを経て切られた決勝レース。スターティングドライバーは道上選手。序盤、予選順位の6~8番手の順位は激しく変動します。Modulo KENWOOD NSX GT3は予選で一つ前のライバルを抜いたかと思えば予選で一つ後ろだったライバルに抜かれ順位は変わらぬまま。そして予選3位だったライバルが今、目の前を走っている。3周目までに築かれたトップ3台の順位変動のない落ち着いた状態とは裏腹に、4位以下は激しい攻防を繰り広げていたのです。

そんな攻防の中、17周目にGT500クラスでオーバーランによる単独クラッシュが発生。ここでセーフティーカー導入となります。セーフティーカーはGT500クラスの23周目に解除となりますが、このタイミングはちょうどレースの折返し地点。このタイミングで大津選手にドライバーチェンジを行います。

GT300のすべてのチームがピットインを終えるとModulo KENWOOD NSX GT3は7番手を走行。しかしその直前を走るライバルは若干ペースダウン気味で差は徐々に縮まっていきます。そして41周目でオーバーテイク!順位を一つ上げて6位浮上。しかしレース後のインタビューではこの段階で実は「タイヤのグリップ感が喪失していた」と語る大津選手。

6位浮上の前から背後でプレッシャーを与える大ベテランのライバルを、数周に渡り抑え込んでいきながらのオーバーテイクで6位に浮上した25歳の大津選手の走りは観る者に興奮を与えたことは言うまでもありません。しかし42周目にライバルに先行を許してしまいます。結果的には予選順位と同じ7位でチェッカーを受けるModulo KENWOOD NSX GT3。

レース後のインタビューで道上選手は「レースの終盤にタイヤのグリップが落ちてしまった原因はこれから探っていきますが、苦手意識が強かった鈴鹿ですがマシンのフィーリング的にはかなり上がってきて、予選で突然速さを出してきたこともセッティングの方向性としていい感じをつかめた上でデータとしても落とし込めているのでこれから先のレースではいい戦いができるのではないかと思います」と語ります。その上で「次戦のタイですが、昨年も悪くはなかったですし今年はNSX GT3もEVOになっているのでこれまでのデータを突き合わせていけばいい展開になると思います」と次戦のタイへの意気込みもお話しいただきました。

また大津選手は今回のレースのいい点として「ピット作業もかなり早く、燃費の問題で給油時間が余計にかかる部分をカバー出来たのでこういったことを煮詰めていけばタイや今後のレースもかなりいいところに行けると思います」と語っていました。

大津選手は鈴鹿の予選日に25歳の誕生日を迎えました。今後のシーズンもより一層興奮する熱いレースを魅せてくれることでしょう。

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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