記者会見でフォルシアのパトリック・コラーCEOは、フォルシアについて、世界トップ10に入る自動車部品メーカーで、「シーティング(シート)」、「インテリア(インパネやドアパネルなど)」、「クリーンモビリティ(排気系)」の4分野で世界トップレベルにあると紹介。
世界で3台に1台がフォルシアの技術を採用している計算になり、11万5000人の従業員を抱え、37カ国300カ所以上の拠点を構えているそう。
フォルシアが最も強みをもつのがシートで、第1の事業部。シートフレームメカニズムで世界市場1位、コンプリートシートで同3位、グループの売上げの42%に上っています。
第2の事業部門は、インパネやドアパネル、センターコンソールなどのインテリア部門で、こちらも世界トップクラス(1位、2位)を占めています。グループ売上げのうち約31%。
第3の事業部門が、クリーンモビリティ(排気系)で、排熱回収、電気触媒、商用車向けの排気ガス浄化システム、燃料電池システムなどにより世界市場1位、グループの売上げの27%に達するそうです。
今後のフォルシアは、コネクテッド、自動運転、ライドシェア、電動化に対応することとしていて、ゼロエミッションと大気汚染改善を実現する技術の「サステナビリティ・モビリティ」、常時ネット接続により多目的なユーザーエクスペリエンスを提供する「コクピット・オブ・ザ・フューチャー」という2つの成長戦略を掲げています。
クラリオンの技術が活かされるのは、サウンド面に加えて、近年力を入れてきた画像(映像)と解析技術を使った自動駐車機能など。
サウンド面では、次世代の「没頭型(没入型)」と呼ばれるカーオーディオ(従来の爆音を響かせるのではなく、低音、ローコストでも高音質を実現するなど)などで、自動駐車機能は、低速ADASと呼ばれる駐車(完全無人化を目指すバレーパーキングなど)を含めた運転支援などになるそう。
近年のクラリオンは「リモートパーキングシステム」を開発し、日産リーフの「プロパイロットパーキング」に採用されるなど、低速ADASの開発力が高く、買収先としてフォルシアの目にとまったそうです。
FCEのExecutive Vice Presidentに就寝した川端 敦氏は、技術力はありながらも、最近少し伸び悩んできたカーオーディオ(次世代カーオーディオを含む)にも再び力を入れていきたいと語っています。
(文/写真 塚田勝弘)