未来を追うばかりでなく、過去のヘリテージもしっかりとフォローしていたのも印象的でした。ダイハツ社内の有志の集まりである「技術研究会」が手がけた往年のレーシングマシン「P-5」にも多くの人だかりができていました。
日本グランプリで優勝を飾ったこともあるマシンですが、最初からこのようなキレイな状態で保ってあったわけではなく、じつはエンジンは載っていなかったそうです。エンジンを探すことから始め、3ヵ月ほどの作業を経て完成したのがこちらのマシンです。
鋳物でキャリパーを作り直すなどレストア作業は地道なものでした。50年前のタイヤがアジア向けに同銘柄が存在するなどラッキーもあったようです。ダイハツがレース活動を行っていたことなど知らない世代にも響いたようで、同研究会が掲げる「人材の育成」「チャレンジングスピリットの復活」はレストア作業を通してひとつ深みに到達したようです。
それはギャラリーにも響いたようで、シニアなお客様の視線を釘付けにしている脇で、若者にとっても新鮮だったのでしょう。食い入るように見ていた姿が印象的でした。
(畑澤清志)
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