「ロックスター」は光岡自動車の新たな方向性を示唆する一台

渡部執行役員は「光岡自動車はこれまで、ここまでの冒険はしなかったのではないかと自分は思っています。今回これをやったことで、新しい方向性の一つを見つけられたという安心感を実は持っています」と語る。

先行の50台を予約したのは、既存の光岡ブランドの車両のユーザーではなく、光岡自動車が手掛けるディーラーや中古車事業の顧客だったという。

光岡自動車の創業者である光岡 進会長はこのロックスターをどう思っているのか、と気になるところだが「会長は当初『どういう方が買われるのか?』という心配をしていたようですが、フタを開けてみたら先行の50台が完売ということで、こういうクルマも売れるんだねという感想をおっしゃってました」と渡部氏。また、この発表会に同席した光岡章夫社長も、この方向に新たなユーザー層があることもわかり「ここも行けそうだ」と実感したという。

「たとえばビュート(日産マーチベースのセダン)。あれ自体は完成されたモデルで、一つの世界を作ったと言えます。今回のロックスターは、新たに光岡のファン層を付け加えられたようなイメージを持っています。今までの光岡プラスα、別のユーザー層をロックスターで見つけられた、広がりそうだというイメージです」と渡部氏。これまでとは異なる、新たな光岡のラインナップが増える、そんな可能性もありそうだ。

なんといっても、このロックスターの成功がそのカギになることはいうまでもない。

光岡ロックスターは、ボディカラーに、ロサンゼルスブルー、シカゴレッド、ニューヨークブラック、シスコオレンジ、ワシントンホワイト、アリゾナイエローの6色をラインアップ。シートや幌、ドアミラーカバーなど多くのカラーオプション設定を用意しており、ホイール&タイヤは通常は16インチだが、オプションで15インチのヴィンテージタイヤ&ホイールセット(メッキホイールにBFグッドリッチ・ラジアルT/Aを履く)も用意する。

車種展開は「S」(6速MT: 469万8000円)と「S Special Package」(6速MT:498万4200円/6AT: 518万4000円)の2グレード3タイプを用意する(価格はいずれも税込み価格)。

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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