「初代レガシィ開発秘話」80年代にIoTを先取り…じつはコンピュータを駆使していた【クルマ塾・SUBARU編】

そのために80年代当時から用いられていたのが、仏ダッソー社のソフトウェアを核としたCAD/CAMでした。他の自動車メーカーに先駆けてコンピュータによる設計に着手していたのです。

人的にもコスト的にも試作品をたくさん作ることができない制約のあったことと、航空部門がボーイング社などのクライアントとやりとりする際に必要だったことが功を奏し、先端の開発手法が採られていたのです。

のちにトヨタとジョイントする際、ソフトのバージョンをすり合わせたところ、スバルのほうがバージョンが進んでいたという逸話もあるそうです。

技術者の感性にゆだねてのクルマ作りがクローズアップされることから、スバルの自動車開発を例えて「感(勘?)ジニアリング」と評す向きもあるのですが、じつは昔から数値を突き詰めで作られていたのがスバル車だったのですね。

とはいえ開発は一筋縄ではいかず、オイルの流路を設計するのには難儀したそうです。オイルラインをどれくらいの幅にすれば適切な油圧が確保できるのかを当時、博士号を持っていた教授にサポートしてもらいながら開発を進めたそうです。