「初代レガシィ開発秘話」80年代にIoTを先取り…じつはコンピュータを駆使していた【クルマ塾・SUBARU編】

厚さ2ミクロンごとに用意されたメタルの、生産されたブロックに最適な厚みを選択するのに自動計算ソフトが用いられていました。現在でいうところのIoTの礎ですね。クランクを設計する際には当時のポルシェ911のエンジンが目標とされました。

ピストンも、ピストンピンを剛性パーツとして使う新発想も採用。フリクション低減のために採用されたショートトップのピストンはその後、他メーカーでも採用されていき定番となっていきました。

ターボに関しては、当時の日本でいちばんの出力を目標とされました。フライホイールをEAの鋳物からスチールのプレスにするなどしスポーツエンジンらしいフィールを実現できたそうです。スバル1000のような、エンジン側にブレーキを備えるインボードブレーキ復活も、真剣に検討されたそうです。タイヤが岩に乗り上げた際にも、マスが少なくて済む、というメリットは捨てがたかったそうです。

衝突安全性能では、当時のベンツAクラスの、衝突時にエンジンが下に滑り落ちて乗員スペースを確保する構造も参考にされたようです。

そんな当時の熱き思いを語る工藤一郎さんのトークはこちら。

(撮影:前田恵介 文:畑澤清志)