【三菱・トライトン試乗】驚くほどに快適な乗り心地と力強いエンジン

三菱の主力1トンピックアップトラック「トライトン」がモデルチェンジし、新型となりました。タイでワールドプレミアされたトライトンは、その日のうちに試乗会を開催。縁あって試乗の機会を得ることができました。

最初に乗ったコースはフラットダートの特設コースです。試乗車は6速ATのスーパーセレクト4WD-II。

搭載されるエンジンは2.4リットルのディーゼルターボで178馬力/430Nmのスペック。最大トルク発生回転数は2500回転と低く、極低速からグッと力強いトルクを発生します。基本構造は従来からある4N15型ですが、圧縮比を15.5まで落とすことで、NOx低減を中心とした清浄性を実現したエンジンです。

試乗したタイ仕様はさらに14.9まで圧縮比を低減しています。この圧縮比低減に貢献したのが、三菱が長年にわたって採用している可変バルブタイミング&リフト量調整のMIVECと、タービン容量を可変するVGターボチャージャー。

アクセルを踏み込むとグッと前にクルマを押し出す力強さを感じるとともに、ディーゼルエンジンとは思えないようなスッキリした回転上昇を感じます。エンジンの回転上昇にリンクする速度上昇の様子はじつに快適で気持ちのいいものです。

トライトンはフロントがコイルスプリング+ダブルウィッシュボーン、リヤがリーフ式固定サスを使っていますが、リヤリーフスプリングとは思えない快適な乗り心地を実現しています。リヤのスプリングレートの見直しが行われているのですが、それ以上にショックアブソーバーの容量アップが効いている印象です。

足まわりはしっかりと動きながらも、一発でその動きが抑制されグッとこらえます。ハンドリングにはシャープさもあり、ステアリングを切っていくと、スッと曲がり始めそのままグイッと曲がります。舵の効きがいいのはもちろんですが、安定性も高いものとなっています。

トラックでありながらも乗用車としても使える性能が求められるアジアの1トントラックのマルチパーパス性を思い知らされる試乗でした。

(文・諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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