【アウディ・A7 スポーツバック・ファーストエディション試乗】プレミアムでスタイリッシュでそして実用性も備える5ドアハッチバック

A7のドライビングでもっとも感動させられるのがシャープなハンドリングです。ホイールベースは2925mmと長いのですが、その長さを感じさせない機敏なハンドリングを披露します。

このハンドリングを実現している最大の要因は、ダイナミックオールホイールステアリングと呼ばれる4WS機構にあると言っても過言ではないでしょう。A8にも同じ機構が組み込まれているのですが、A7のほうが機敏で動きの恩恵をよく感じます。A8よりもホイールベースが短いのがその要因なのかもしれません。

道幅の狭いワインディングでもついついペースアップしてしまうような乗りやすさがあり、グングンペースは上昇。スポーティで楽しい走りが可能です。

搭載されているエンジンはV6の3リットルターボで340馬力/500Nmのスペックです。このエンジンの力強さは言うまでもないのですが、素晴らしいのはアイドリングストップをした際の静粛性です。

走行中も必要であれば55〜160km/hの範囲でエンジンは停止し、コースティングモードとなりますが、エンジン停止時も再始動時もタコメーターの動きを見ていないとまったくわかりません。音も振動も何のインフォメーションも伝わってこないのです。

今回の試乗車A8スポーツバック1stエディションは1058万円のプライスです。1000万円という価格のクルマが買える環境にあれば、かなりの幅を持ってクルマを選ぶことができます。そうしたなか、A7スポーツバックはプレミアムセダンの優雅さ、プレミアムクーペのスポーティさに加えて、クルマを使い切れるような実用性の高さを持つクルマだといえるでしょう。

(文・写真/諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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