【新型カローラ スポーツ試乗】新開発のアブソーバーが滑らかな乗り味、ハンドリングの良さを生み出す

カローラ スポーツの足まわりは、当初プリウス用を使おうとしたそうですが、チーフエンジニアや評価担当者が、乗り心地や、操縦安定性を高めようと、新開発アブソーバーの開発を決断したそう。

その新開発アブソーバー(AVSではなく標準仕様)は、オイルや構成部品(ゴムの摩擦)などの組み合わせ約600パターンにおよぶ走行試験を実施。

このアブソーバーは、急遽、プリウス用を流用しないことになり、かなりのスピード感(短いリードタイム、2倍くらいの感覚)でKYBと開発されています。トヨタ社内でも好評な点を受けて、ほかの開発チームからも高い関心を集めているそうです。

さらに、カローラ スポーツは、操縦安定性を向上させるべく、ねじり剛性を上げるなど剛性向上も重視。それによりロール剛性が高く、ヨーモーメントの変化も少なく感じて、フラットライド感があります。

試乗車で割り振られたのは、その標準ダンパー仕様で、AVSレスでも石畳のような細かな凹凸が連続する路面でも滑らかな乗り味になっています。

なお、AVS装着車はダンパーの減衰力を4輪で独立制御できるため、より滑らかな乗り味が得られるそうです。

減衰力可変アブソーバーの「AVS」は、「HYBRID G “Z”」、「G “Z”(2WD)」に、「スポーツS」、「スポーツ+」モードが加わる「ドライブモードセレクト」とセットでオプション設定。こちらの乗り味については、別の機会があればご報告したいと思います。なお、標準車は「エコ」、「ノーマル」、「スポーツ」という3モードです。

さらに、「AVS」は電子制御により最もスポーティな制御が加わり、「スポーツ+」にすれば、鋭い加速に加えて、ステアリングもよりスポーティなフィーリングに変更されます。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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