清水和夫×アウディA8 55TFSIクワトロ試乗、これぞアウディのデファクトスタンダード! 1/2【SYE_X】

■アルミスペースフレームの意味は軽量化だけにあらず

●歴史を知ると、さらにアウディA8 55 TFSI クワトロが見えてくる

clicccarでお届けする国際モータージャーナリスト・清水和夫さんの試乗インプレッションは、発売ホヤホヤの新車だけではありません。

今回は2018年に登場したアウディA8 55 TFSI クワトロにプレディクティブ アクティブ サスペンションを搭載した最新バージョンです。

アウディA8 55 TFSI クワトロ試乗
「ようやく乗れる日が来た!」、清水和夫さんが念願、アウディA8 55 TFSI クワトロをじっくりと試します。

「アウディA8 55 TFSI クワトロはずっと前からジックリ乗りたい1台だった。でも、このコロナウイルス自粛期間を経て動き出せるようになった今、ようやく堪能できるときが来た!」(清水)

アウディのフラッグシップモデル『A』の最上クラス『8』に、パワーが『55(245~275kW)』である『TFSI(Turbo Fuel Stratified Injection/直噴+過給機)』エンジンを積む4輪駆動車『クワトロ』を清水さんはどう再確認したでしょうか?

清水和夫さん
「アウディを知るには歴史も理解することが大事」と語る清水和夫さん。

●ピエヒさんが語ったA8とは?

VWトップだったフェルディナンド・ピエヒ氏へアウディについて清水さんがインタビューしたときの思い出からインプレッション、スタートです。

「ピエヒ氏は、アウディの乗り味はFRではなくクアトロ技術があるためソリッドな乗り味…と語った。ブランドイメージはインテリジェンス、A8は無垢のアルミから削り出したようなソリッドな乗り味、それがアウディA8の1番根っこのところにあるコアバリュー」(清水)。

それは、内面的な話でカタログに表現できるようなものではないといいます。

「アウディを知るということはユーザーにも知識が必要。メディアももっと根っこのところにあるアウディとは何か?を、歴史も踏まえて知ると、よりアウディをしっかりと理解することが出来る」(清水)。

アウディA8 55 TFSI クワトロ
アウディA8 55 TFSI クワトロのフロントビュー。ショードリブンだけではない、ドライバーズカーとしての楽しさも併せ持っています。

A8最大の特徴と言えるアルミスペースフレームについて、なぜアルミなのか、アルミの特徴、アルミである意味とは? A8のアルミスペースフレームはいろいろなアルミ材をLEGOのように組み合わせている…、そんな分かりやすい解説に納得です。

「アウディの中でもA8だけは別格。事実上のフラッグシップ、これ以上のものはない。そういう位置づけだよね。高速の路面の段差でのダンピングが良いですね。小川の水の上を木の葉が流れるようにスーッと走る感じ。これはA6などにはない、A8独自の特性。アルミボディがA8の孤高さのひとつ」(清水)。

アウディA8 55 TFSI クワトロのコクピット
闇夜に浮かぶアウディA8 55 TFSI クワトロのコクピット。

●最先端のADAS(先進運転支援システム)も搭載

高速道路で、最先端の運転支援システムも試してみました。

「ACC(アダプティブクルーズコントロール)で追従し、LKAS(車線維持支援システム)で車線逸脱防止。でもまだハンズオフは認められていないです。しかし、現状レベル2の、かなり使いやすいドライバーアシストシステムです」(清水)。

ADAS
急な割り込みがあっても先進運転支援システム「ADAS」のアシストは心強いです。

ホ~なるほど!なアウディA8 55 TFSI クワトロ試乗インプレッション、さっそく見ていきましょう! 動画は2/2にも続きます。

(試乗インプレッション:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)

アウディA8 55 TFSI クワトロのヘッドライト
アウディA8 55 TFSI クワトロのヘッドライト。

■SPECIFICATIONS
車名:アウディ A8 55 TFSI クワトロ
全長×全幅×全高:5170(スポーツパッケージ5180)×1945×1470mm
ホイールベース:3000mm
トレッド フロント/リヤ:1635mm/1625mm
車両重量:2040kg(※1)
エンジン:V6 DOHCインタークーラー付ターボ
エンジン排気量:2994cc
ボア×ストローク:84.5×89.0mm
圧縮比:11.2
最高出力:250kW(340ps)/5000〜6400rpm
最大トルク:500Nm(51.0kgm)/1370〜4500rpm
トランスミッション:8速ティプトロニックAT
駆動方式:4WD(quattro)
サスペンション F/R:ウイッシュボーン式/ウイッシュボーン式
ブレーキ F/R:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤ F/R共:255/45R19
燃料消費率 JC08モード:10.5km/L
車両本体価格:11,720,000円(税込)

(※1 取材車両は2110kg。プレディクティブ アクティブ サスペンション搭載車+30kg/ダイナミックオールホイールステアリング搭載車+20kg/インディビシュアル電動リヤシート装備車+20kg)

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アウディA8 55 TFSIクワトロは清水和夫が人生最後に乗りたいクルマ 2/2【SYE_X】
https://clicccar.com/2020/08/11/1001620/

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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