ホンダ・N-VAN登場で注目される「4ナンバー軽貨物」のメリットとデメリット

7月12日に発表されたホンダN-VAN。スタイリッシュな「+スタイル ファン」「+スタイル クール」といったグレードもラインナップされていて、「働く人たちのお仕事用」と決めつけてしまうのはもったいないですね。

なんといってもN-VANが含まれる「4ナンバー軽貨物」は税金も安く抑えられていて、使い方次第ではお得なカーライフが送れるのです。

そこで、改めて「4ナンバー軽貨物」に乗るうえでのメリットとデメリットについてまとめてみました。

●メリットは税金が安いこと!

なんといっても軽貨物に乗るメリットは、税金が安いことです。話を単純にするために、ここではエコカー減税を考慮せずにお話します。

まず自動車税。あなたが一般的な1.5リッターの小型車に乗っていれば、自動車税は年額3万4500円です。これが乗用軽自動車なら年額1万800円になるのですが、N-VANを含む軽貨物車だと、なんと5000円で済んでしまうのです。

重量税も安くなります。1トン超1.5トン以下の自動車の重量税は、年額1万2300円(※普通は次回車検までまとめて払いますね)。これが乗用軽自動車だと年額3300円なのに対し、軽貨物車は2600円まで安くなります。

現在ではエコカー減税を受けられるクルマも多く、実際にはここまでの差が生じないケースもあるのですが、業務に使われるクルマが税制面で優遇されていることはお分かりいただけると思います。

●初回車検は2年、乗用タイヤでは車検に通らないことも

ではデメリットはなんでしょうか。軽貨物車を選ぶにあたってまず頭に入れておくべきは「最初の車検が3年じゃなくて2年でやってくる」ということです。初回以降は他の乗用車同様2年ごとです。

これは業務用途として貨物車がタフに使われることを想定した結果ですが、たとえば軽より大きい小型貨物車は初回が2年、以降は毎年車検ですから、考え方によっては逆に軽貨物のメリットとみることもできます。

細かいところでは、ふつうの乗用タイヤでは車検に通らないことがある点にも注意しましょう。これは軽貨物が乗用軽より重い荷物を運ぶことを想定し、より耐荷重値の大きいタイヤ装着を義務付けているために起きる問題ですが、もちろん純正タイヤのままならば、まったく問題ありません。

今回登場したN-VAN以外にも、ダイハツ・ハイゼットやスズキ・スーパーキャリーなど、ここのところ軽貨物には元気なクルマが増えています。一味違った愛車としても乗れそうなクルマたちだけに、その魅力や性格を理解しておくと役に立ちそうですね。

(角田伸幸)

この記事の著者

角田伸幸 近影

角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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