自動車メーカーごとに、新車開発のカリスマエンジニアや伝説のレーシングドライバーを招き行われるトークショー「クルマ塾」、日産編のスタートは伊藤修令さんのトークから始まりました。
伊藤修令さんのお名前は、正しくは「いとう・ながのり」さんといいます。しかしマニアや仲間うちからは「しゅうれいさん」と親しまれています。
伊藤さんは、かの有名なエンジニア桜井眞一郎さんの薫陶を受けていた方。新人の頃から「鉄は熱いうちに打て」とばかり、徹底的にしごかれてきたのだとか。ときは、国産車黎明期。いくつかの自動車メーカーがノックダウン生産を経営の端緒とするなか、トヨタとともに自前の技術を育てながら、オール国産化にこだわったそうです。
そんななかで学んだのは「クルマの開発はひとりではできない。人の力を借りなければできない」ということに、あらためて気づかされたそうです。「私は勝負師ではない。失敗したくないため石橋を叩いて渡るタイプだ。だからこそ、まかせて安心のエンジニアになることをめざした」そうです。
まわりの意見を聞きながら、何事も公平・公正に判断するという姿勢で31年間、設計・開発に従事したそうです。