OPT:エンジンについて、何か面白い話ありますか?
細木:まぁ、あのテのクルマを作るには、エンジンを組み上げてセッティングするまでが全仕事の8割だからね。苦労というよりは戦いだったよ。ゲーリーと一緒にアメリカまでエンジンを買いに行ってね。ミッションとエンジン本体を別々に購入して日本に送ろうとしたんだ。それで運送屋に任せてボクたちは日本に帰り、送られてくるのを待っていた。エアーで送ったからすぐ着く予定だったんだ。
OPT:めちゃくちゃ運賃がかかったでしょう。
細木:そうだね。エンジンを買うのに日本円で約500万円(※当時)くらいかかって、それを送るのに90万円近く取られたね。もちろん、エンジンはブロックを除くすべてのパーツがチューニングキットでかためられたものだったから、結構高かった。でも高いも安いも、日本には比べられるエンジンが無かったから、ボクたちにとっては安いものだったんだ。
OPT:上手く届かなかったんですか?
細木:着いたのは着いたんだけど、エンジンとミッションの2個口で送ったものが1個しか届かなかったんだ。おかしいなぁと思ってその箱を開けてみると、なんとエンジンにミッションが組み込まれているんだよね。でもよく見ると、それは確かにボクらが買い付けたものに間違いない。きっと運送屋が気を効かせて、組んで1個口にしたんだな。ということで、早速クルマに載せてセッティングに取りかかった。(つづく)
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というところで、次回後編に続く! パンテーラのエンジンがボディに載り、いよいよセッティングがスタート! 果たして一発で決まるのか? はたまたトラブルに見舞われるのか?? お楽しみに〜。
[OPTION 1984年6月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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