OPT:その頃の話ってとても興味がありますね。そのきっかけがあったからこそ、最高速パンテーラが生まれた・・・ということですか。
細木:あの頃は自分のクルマ、コロナ2000GTをチューンして乗っていたんだけど、18R-Gを2.2Lにボアアップして、カム・キャブ・足まわりをいじって夜ごと走り回っていた。そのとき、ゲーリーに首都高に速い連中が走りに来てるから行こうと誘われ、行ってみるとその連中の中に同級生がいてね。それから彼らと一緒に走るようになったんだ。
OPT:18R-G改ですか。そのころ最もポピュラーなチューンですね。さぞかし速かったんでしょうね。
細木:あれはあまり速くなかった。もちろん、一緒に走り回った連中よりは速かったけど、自分としてはいまいち納得できなかったんだ。その次にセリカの1600GT。これもフルチューンして、まぁコロナよりは速かったね。とはいっても、やっぱりいじる時間が制限されていたからね。それに夜、走りに行く時間も必要だったし。
【パンテーラとの戦い】
OPT:でも、それからあのV8Z(※S30Z+シボレーV8スモールブロックのバケモノマシン)やパンテーラを作るにいたっては、相当な苦労があったと聞いていますけど。
細木:そう、あれはね。ベースになったクルマの程度がそうとう悪くてね。ゲーリーの知り合いから買ったんだけど、ほとんどレストアという感じで手を加え始めたんだ。ボディは錆びてるところも多かったし、苦労した。でも日本一速いマシンを作るんだ!という意気込みがあったから、毎日深夜までやった。