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レース仕様に変身途中の我がOPTION 300ZX。ボディ、エンジン、足まわり…やらなくてはいけないこと、いっぱい!! ということで、今回はエンジン関係をプレイバックです。
一任するのはHKS。まずは、出たばかりでチューニングパーツも少ないVG系基本的なチューン考は? そして、肝心のレース用チューニング仕様はどーなりますか?
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OPTION 300ZX 富士耐久レース参戦計画
さて、VGエンジンはどうチューンしますか?
【基本的チューニング考】
■ボアアップはできるのか
チューニングではまず、最も手っ取り早いパワーアップ方法が排気量アップ。3Lより3.1L、3.1Lより3.2Lと、排気量が大きいほうがパワーはもちろん、トルクもアップして低燃費にもつながる。では、このVGエンジンは何mmオーバーサイズのピストンまでがブチ込めるんだろうね。
シリンダーブロックの強度で目安になるのが、シリンダー間の肉厚。左右V字型に3気筒ずつ別れたV型6気筒エンジンは、ノーマルなら十分な剛性を持っている。しかし、冷却方式がフルウォータージャケットタイプなのが問題。ボアピッチ間の肉厚は十分だが、あまり拡大しすぎるとシリンダーにクラックが生じるという恐れがあるのだ。
VG30のボア×ストロークが87mm×83mm、VG20が78mm×69.7mmだが、各エンジンのボア拡大は2mmアップが耐久性の面から行っても無難だ。あるチューニングショップで92mmピストンを製作し、3.3Lまで排気量アップしたが、これはすぐシリンダーにクラックが入り強度的に問題が出たという。ただし、フルウォータージャケットタイプのため、冷却効果はいい。
一方、腰下主要パーツはどうか。ノーマルのピストン、コンロッド、クランクは軽量化され、フリクションを低減させている。これで好レスポンスが実現されているのは確かだ。また、剛性や耐久性アップも図られている。
例えばクランク。V型配置によりクランク長を大幅に短縮でき、メインベアリングを4個で支持の一体型が採用。これにより運動部分の接触面積を縮小し、フリクション低減などはもちろん、ねじれ剛性や曲げ剛性が増大している。メタル幅も狭くなっていて、トラブルの発生を防いでいる。