トヨタ自動車が中国市場へのEV投入を2020年から「年内」に前倒しする理由

トヨタ自動車が年内に中国でEVの販売に乗り出すそうです。

同社はこれまで自社開発のEVを2020年に中国で生産・販売する計画を表明していましたが、まず合弁先である広州汽車集団(広汽)が生産する新型SUV「ix4」を販売することにしたそうで、新聞報道によると現在発売に向けて航続距離や価格等の詳細を詰めている段階にあるようです。

中国では2019年を皮切りに一定の新エネルギー車生産を義務付ける「NEV」規制などを背景に、想定を超えるペースでEV需要が高まっているため、販売を前倒しすることにしたもの。

昨年のEVとPHVの世界販売台数142万台のうち、中国が78万台(55%)を占めている状況を踏まえ、トヨタは2030年の段階で世界販売の半分以上となる550万台(うちEV+FCV 100万台)以上を電動車とする目標を掲げています。

一方、英・仏両政府も昨年、2040年までに内燃機関で走るガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を示しており、日経新聞によると英国では現在その規制対象に「HV」を含める案が検討されているそうです。

バッテリー駆動のみで50マイル(約80km)以上走行可能な場合は規制対象外とする案も出ているようですが、ほとんどのHVやPHVの販売ができなくなるため、自動車各社においては電動化が先行する中国市場への対応も含め、EV開発の流れが加速することになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:広州汽車集団)

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【関連リンク】

広州汽車集団 ix4
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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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