さて、その「SORA」に同乗試乗したのは、10分程度の特設コース。まさに路線バスとして運用されるであろう都内の道で、その乗り味を感じるというルートです。
運転席の真後ろに陣取って、メーターを凝視していると想像以上に、レスポンスよくパワーメーターが反応しているのを確認。
燃料電池の乗用車「MIRAI」よりもマイルドなセッティングにしているという話でしたが、通常のディーゼルエンジンを積んだ路線バスよりも、ずっと素早く反応している印象です。その加速もスッと軽やかに感じるもので、さらに振動やノイズもほとんど感じないというスムースさです。
こうした快適性で、東京オリンピック・パラリンピックで世界からのお客様を「おもてなし」すればインパクト大なのことは間違いなしと思えるほど、驚きの静粛性です。
さらに「MIRAI」では燃料電池に空気を送り込むブロワーの音が気になりますが、FCスタックをルーフに積んでいるためか、そうした燃料電池ならではのノイズもあまり気になりません。ゼロ・エミッションであることはメインテーマであるのでしょうが、それが副次的と思えるほど、静かな車内と電気駆動だからこそのスムースな加減速のほうがユーザーメリットとして実感できる10分間の試乗でした。