【新車】お値段なんと「1億円」? トヨタの燃料電池バス・SORAに体験試乗。驚きのスムースネスと静かさ

それにしても100台程度の生産を目指している燃料電池バスにFCスタックなどを開発するのは大変なコストだと思いきや、「SORA」の主要パーツはトヨタの乗用車から流用しているといいます。それにより生産コストを抑えるだけでなく、信頼性も確保しているのです。

なお、バス会社への販売はリース方式。そのため車両本体価格は公表されていませんが、試乗時にうかがったところ1億円ということです。

高圧水素タンク、FCスタック、駆動モーターなどは燃料電池車「MIRAI」から流用。パワートレインはMIRAIの2基がけといえる内容になっています。最高出力は300馬力オーバーですから、この巨体を動かすのに十分というわけです。

また高圧水素タンクはMIRAIでは2本搭載ですが、SORAは10本も積んでいます。このタンクに充填できる水素は20~23kg相当、航続可能距離は200km程度を実現しているということです。駆動用バッテリーはクラウンハイブリッドからの流用。あえて信頼性のあるニッケル水素電池を使っているというのはハイブリッドカーの歴史があるトヨタらしい判断でしょう。

『空(Sky)から降った雨が海(Ocean)まで川(River)をくだり、空気(Air)に姿を変えて空に帰る』、という自然の循環を名前に込めたという燃料電池バス「SORA」。水しか排出しない燃料電池バスは、空をただよう雲のようななめらかな走りも実現した、新体験のモビリティだったのです。

●トヨタSORA 主要スペック
全長:10525mm
全幅:2490mm
全高:3350mm
乗車定員:79名(座席22、立席56、乗務員1)
燃料電池形式:固体高分子形
FCスタック最高出力:114kW(155PS)×2
モーター形式:交流同期電動機
モーター最高出力:113kW(154PS)×2
モーター最大トルク:335Nm(34.2kg-m)×2
高圧水素タンク:10本(70MPa)
タンク内容積:600L
駆動用バッテリー:ニッケル水素電池
外部電源供給電力量:235kWh

(写真:門真 俊/文:山本晋也)

この記事の著者

山本晋也

山本晋也 近影
日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。