【試乗】SUBARU AWDで雪国の「普通の道」を走る。インプレッサSPORT 2.0-S EyeSight編

青森市街を抜け、山道へと入っていきます。こういうところでは2リッターボクサーエンジンのありがたみを感じます。おそらく1.6リッターでは「もうちょっと踏まないと」というシーンがありそうですが、この2リッターならばそれを余裕として速度を落とすことなく登っていくことが可能です。高速道路でもそうなんですが、しかし、なぜこの余裕がドライブを楽にさせてくれるのか。1.6リッターじゃ登れないわけでもないし、その分アクセルを踏んで回転とトルクを引き出してやればいいことだけなのに、心理学的にどういうことなのか、誰か説明してほしいです。

さらに秘湯酸ヶ湯へ近付くにつれ、道路はだんだんと黒から白へと変わっていきます。その色のコントラストの違いとは裏腹に、インプレッサのほうはなんの変化も感じさせない走りを続けてくれます。雪国に慣れていない私にとって、最初に白い部分を踏む時って緊張して入って、あえて強めのアクセルやブレーキ操作で「どれくらい滑るか?」試してみるんですが、ほとんどそれも意味ないくらいです。ただし、そこには履いているブリヂストン・ブリザックVRX2の雪国性能の恩恵も大きいことでしょう。

だんだんと雪も強くなり、圧雪路面に新雪が乗っかっている路面でも相変わらず何事もなく、無事酸ヶ湯温泉に到着です。

温泉は相当に強い酸性で、少し味見すると強い酸味を感じます。総ヒバ造り「千人風呂」は歴史の重さを感じさせてくれる混浴です。混浴とはいえ、湯船の中央にここから「女性専用」というロープの仕切りがあります。女性専用の時間帯もあるようです。

と、温泉の取材はそこそこに、インプレッサSPORTは次の目的地、十和田湖を目指します。

路面は相変わらずの雪。意外に走行車両も多く、バスなども走っています。地元と思える車両は特に雪を意識することないペースで走っているようです。しかし、私も初めての雪道でも特に意識することなく流れに乗って走ることができたのは安心感をもたらすインプレッサSPORTのおかげだったと振り返ることができます。

十和田湖に到着し、お昼にきりたんぽをいただきました。きりたんぽの語源は、練習などのため槍の先に付けるたんぽの形に似ているて、これを切って食べるから、という説と、桐の棒に刺しているからという説の2種類があると教わりました。味噌を付けて炭火で焼いてきりたんぽは、初めて食べるのになぜか懐かしい素朴な味が口中に広がります。

お昼の後は、XVに乗り換えます。グレードは2.0-S EyeSightで、ボディカラーはピュアレッド。雪の中では真っ赤なボディがインスタ映えしそうです。(つづく)

(撮影:前田 惠介/文:clicccar編集長 小林 和久)

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この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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