ついに走った!しかし… シティ・ミッド化計画・その3【OPTION 1983年5月号より】

発進! クラッチをつなぎながら、アクセルを踏む。コンバックスのER型もノーマルだ。しかし、アクセルの反応がFFシティとは何か違う。加速感もおとなしいのだ。あのジャジャ馬的なパワフルな感じがしない。

ところが、他のクルマと比べると確実に速い。実は、これはFFからミッドシップへの大きな変化だったのである。FFでは加速時のボディ前後の荷重移動が激しく、ホイールスピンしやすいのでジャジャ馬になるが、ミッドシップでは常にロスなくリヤの駆動力が伝わるため、逆におとなしい加速に感じるわけだ。

このシティ・ミッドの特徴はしかし、想像どおり、ハンドリングだった。とにかくシャープで、切れすぎるほどだ。よほど慎重に修正しないとノーズが巻き込み、スピンしそうになる。それもリヤタイヤはガッチリ、グリップしているので、フロントだけ動く感じなのである。

サスペンションのスプリングも固すぎる。特にフロントが固すぎて跳ねるので、コーナリング中のステアリング修正が難しい。現段階ではコーナーをフルに攻め込むことはできない。

ブレーキの効きは、基本的に安定性が向上している。4輪ディスクブレーキの効果抜群だ。しかし、100km/h以下ならいいが、全開・最高速からのフルブレーキングでは、ややスネーク気味のヨーイングを伴う。これもサスセッティングが決まっていないためだ。

この初試走の結果、サスペンションの熟成が早急の課題となった。予定していたシェイクダウンテストが、サーキットでやれなかったのは残念だ。

しかし、フィーリング的にはFFとミッドシップの差は歴然。アクセルオン時に瞬間的に駆動してくれるレスポンスのよさと、基本的にシャープなステアリング特性が確認されたわけだ。やはり、ポテンシャルは高いと見た。今後の熟成が楽しみだ!

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走りましたね! ノバの仕事の早さは流石、素晴らしいです。さて次回その4は足まわりの不具合が解消されるのでしょうか? はたまた富士を攻めるのでしょうか?? お楽しみに!

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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