ホンダ・シティのエンジンをミッドに積む!という壮大なる計画をやりました・その1【OPTION 1983年3月号より】

では、シティ・ターボ・ミッドシップ計画のアウトラインを説明しよう。第1段階は、横置きされたフロントの100ps・COMBAXエンジンとサスペンションを、そっくりそのままリヤに移植させようというわけだ。FF車をミッドシップ(正確にはリヤエンジンに近い)化する、簡単な方法だ。

しかし、これまでのチューニングカーと違って、サーキットも走れる本格派を目指したので、サスペンションのレイアウトを慎重にしなければならない。そこでOPTは、そのマシン製作をレース界で有名なノバ・エンジニアリングに依頼した。レーシングカーのノウハウを投入してもらうためである。ミッドシップ構想とレイアウトは、同じくノバの森脇基恭氏と、レーシングカー・デザイナーの舘内端氏の共同ということで、まとめてもらう。

目標はまともに走れる、コーナーをアタックできるという点だ。エンジンはノーマルですすめる。しかし、これはあくまでも第1段階で、次々にステップアップしていくのはいうまでもない。なお、パーツ供給は公認ボルトオン・ターボをアコードで開発した、パル・インターナショナルが応援してくれる。どこまで本物のミッドシップ・スポーツカーに迫れるか、期待して欲しい。

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ノバ猪瀬さん、森脇さん、そして館内さんというレース業界の重鎮を巻き込んでの、このシティ・ミッド化計画。さて、どう進んでいくのでしょうか!? そしてちゃんと走るのか!? お楽しみに!

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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