【スズキ・XBEE試乗】軽自動車という枠を取り去るとイイことがたくさん。「デカハスラー」ことXBEEに試乗

これは売れないはずがない! XBEE(クロスビー)に触れてまず感じたのは、そんな商品力の高さ。

言ってみれば同車の軽自動車「ハスラー」をひとまわり大きくしたコンパクトカー(といってもメカニズムはまったくの別物で外観も比べると類似部分は少ない)なわけですが、接してみると売れそうな要素がたくさんあるわけです。

まず大きいのは、遊び心が詰まっていて楽しいスタイル。そして実用性を犠牲にしていないことでしょうか。

これはハスラーも同じでしたが、室内がとっても広い。そしてXBEEのほうが車体が大きい分だけ、より室内にゆとりがあります(これが軽自動車枠ではないことのメリットその1)。こういうワゴンタイプのクロスオーバーSUVって、実はありそうでないんですよね。

パワートレインも軽自動車枠ではないことのメリット。軽自動車として定められた660㏄未満の658㏄エンジンを積むハスラーと違い、XBEEのエンジンは996㏄でしかも力強さが増すターボ付。ハスラーの高出力版エンジンもターボ付ですが、さらに力強さが増していていて高速道路走行でも力不足を感じません。そのうえトランスミッションはCVTではなく6速ATで、アクセルを踏み込んだ時の自然な加速フィーリングが嬉しい。

車両価格を抑えられる1.2L自然吸気エンジン+CVTではなく、値段が高くなるのを恐れずに1.0Lターボ+6ATとした決断にエールを送りたい気分です。

百花繚乱状態のコンパクトカー市場ですが、こういう遊び心を持ったコンパクトカーを選ぶと毎日が楽しくなりそう。XBEEはそんな期待をさせてくれるニューカマーでした。

ところで、実際に街中で見るとハスラーよりもボリュームがあるのは一目瞭然。そして、リヤスタイルを見るとハスラーとの違いがしっかり感じられますよ。

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
続きを見る
閉じる