【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第26回・カジュアル、センス、クオリティを合理性で包んだ「街の遊撃手」。いすゞ・FFジェミニ(初代)

80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。「クオリティコンパクト」をテーマに、独自の高い質感と、必要最大限のスペースを必要最小限のサイズで実現したセダン/クーペに太鼓判です。

高級でなくても自分のセンスに合う。小さくても十分な空間を持つ。いすゞ初のFFコンパクトとして、従来と異なるまったく新しい価値観を創出し、1985年に登場したのが初代のFFジェミニです。

スラントノーズ、ショートハイデッキのウエッジシェイプボディと、大きくルーミーなキャビンは絶妙のバランスで融合され、一体感のある「カプセルシェイプ」を構築。

豊かで張りのあるボディ面はクリーン&シンプルで、ピンストライプを用いた彫りの深いキャラクターラインによって面質はさらに向上。量感のあるプレスドアの採用が、空力特性のよいフラッシュサーフェスボディを作ります。

コンパクトなボディは光モノを避け、フロントグリル、リアガーニッシュ、幅広モールのブラックとボディ色との対比がエレガントさを演出。3ドアでは素材色バンパー、ガードパネルとの2トーンがカジュアルな軽快感を生み出します。

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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