【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第26回・カジュアル、センス、クオリティを合理性で包んだ「街の遊撃手」。いすゞ・FFジェミニ(初代)

インテリアは、ヨーロッパの家具をイメージしたニューテックシートが、高級車とは異なる独自の質感を創出。使い勝手に優れるクラスタースイッチやソフトパッドを用いたインパネ、3パターンのカラーはセンスの良い空間を作ります。

基本デザインは、ピアッツァに続きジョルジョット・ジウジアーロの作。いすゞ社内の手直しなどを理由に当初は公表していませんでしたが、後にイタルデザインが正式に発表。3ドアは、なるほどミニ・ピアッツァを思わせるまとまりです。

優れたプロポーションと高い面質だけで、圧倒的なクオリティと独自の世界観を生み出す。簡単に思えてもっとも難しい作業ですが、これこそが、いま求められる自動車デザインの本質なのではないでしょうか。

●主要諸元 いすゞ FFジェミニ 4ドアセダン C/C(5MT)
形式 E-JT150
全長4035mm×全幅1615mm×全高1370mm
車両重量 870kg
ホイールベース 2400mm
エンジン 1471cc 直列4気筒OHC
出力 86ps/5800rpm 12.5kg-m/3600rpm

(すぎもと たかよし)

この記事の著者

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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