【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第25回 ・若手デザイナーが描いた90年代コンパクト。トヨタ・ターセル/コルサ/カローラⅡ(4代目)

また3ドアは、ショルダーにおかれたグレーの幅広モールが軽快感を生み、一方の4ドアは、前後バンパーをつなぐ黒のモールが長さを表現するとともに、セダンらしい落ち着きも与えます。

エクステリアに準じ、一体成形の広い面で構成されたインテリアは、カジュアルな高品質感。また、イエローやグリーン、パープルなど彩度の高いパステル調のカラーは、面質の高いボディにマッチします。

デザインチームは、若手を中心に自分たちが納得できるコンパクトを標榜。たとえば、女性を意識しながらも従来の表面的な手段に陥らず、視界の確保などより本質的なアプローチを試みました。

同時期の初代セルシオを筆頭に、新しい表現でありながら、しっかりしたモノ作りをするという機運が、当時のトヨタには浸透していたのかもしれません。

●主要諸元 トヨタ カローラⅡ 3ドア ZS(5MT)
形式 E-EL43
全長3930mm×全幅1645mm×全高1365mm
車両重量 880kg
ホイールベース 2380mm
エンジン 1496cc 直列4気筒DOHC16バルブ
出力 115ps/6600rpm 13.8kg-m/4000rpm

(すぎもと たかよし)

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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