「まぁ、アイツらは、いってみればカワイイもんや。めいっぱいクルマをいじって、走るのが好きなだけやからな。別に悪さするわけでもないしな。その点、暴走族とはちゃうで。大阪の暴走族は悪いわ。歳ももっと若いしな。免許証も、クルマも、ガソリンも持っとらんのに走り回りよる。つまり人のモン、盗んでやるわけや。でも大阪じゃあ今、壊滅状態やで。リーダーがいなくなってしもうたからな。もうリーダーのなり手がおらんのや。即逮捕するからな」(府警)。「一昨年までは暴走族もハデやったわ。御堂筋を逆走したりしてな。でも道交法の改正以来、ピタッと押さえられたんとちゃう」(市内学生)。
そして、暴走族が押さえ込まれた今、交通指導の主対象が、環状族に代表される走り屋に移行したというのは事実だという。「大阪の環状族も、今から3〜4年前はもっと凄かったですよ。クライマックスは迫力がありましたよ。みんな路肩にずらっと駐車して見守っている。その前を、目立ちたがりの速いクルマが3車編隊なんかで組んで、ブワーッとかっこよう飛ばすんですわ。1グループが走り終わると、今度は次のグループが登場や。まぁ、改造車の競演ですな。こういっちゃなんですが、見物でしたわ」・・・阪神高速道路公団関係者の私的述懐。「もっとも、公団にとっては彼らがつまりは暴走族なんですけどね」・・・同。
「前にも言いましたが、環状族と暴走族は違う。けど、取り締まりの基準は同じですねん」・・・府警。一口に暴走族、走り屋といっても、その実態は東京と大阪では明らかに異なる。それゆえ、この大阪でのケースをそのまま他の地域に当てはめることは的を得ないだろう。が、しかし・・・。