基本メニューには「新品のキー」が含まれています。経年による摩耗等への対策ではありますが、粋な配慮といえそうです。また、ホワイトボディの状態になるため、取り付け時にボルト・ナットはすべて新品になるとのこと。
レストア期間中、希望者は日程を調整のうえであれば、見学が可能となっています。
基本的にメニューに入っているものは、レストアの直前に交換したものなどでも、ひととおり交換の対象になります。ただ、思い出のパーツなど、取り付けての納車などは相談可能とのことでした。
あわせて、レストア部位ではない部分などの機能損傷についてなど、判断が必要な事象については、都度オーナーに問い合わせして調整していくとのこと。なお、交換前のパーツについては持ち帰り、廃棄処分等について、選択できるそうです。
■レストア完了時には第三者機関による認証書がもらえる
レストアが終了すると、マツダの検査員によって新車と同様の完成検査が行われます。これには新車当時の規格にあわせ、すべての機能検査、アライメントなどもチェック。その後、山本氏によるフィーリング確認が実施され、サインが入った書類が添えられます。
レストア後の保証については、保証範囲がサービス施工範囲で、その内容は新品部品に1年、1万キロの保証となります。
さらに、第3者認証機関による認証書がもらえるのも今回のレストアサービスの特徴です。この認証書は、テュフラインランドジャパンによるクラシック・カー・ガレージ認証のプロセスを経てレストアがされているということを証明するもので、マツダのレストアサービスが世界で初めてこの認証をされたサービスということになります。
■レストアの希望があれば、まず相談してみる
これは全体的に言えることですが、マツダによるレストアを希望するのであれば、まずは相談してみるということが大事なようです。
今回紹介してきたレストアサービスの条件は「かなり厳しい」という意見を持つロードスターユーザーもいるかと思います。
このレギュレーションは、マツダが「せっかくマツダでレストアしていただくのだから、今できる最上級のものを提供したい」という志しをスタートラインにしているからだと思います。それはオーナーの手には新車以上の輝きを放つ愛車だけでなく、マツダでもオーナーでもない、第三者による認証をつけたころからも見えてきます。
ただ、そのためにハードルは高くなりました。オーナー自身が欲しているレストアの姿を伝えて、それに対してメーカー・ディーラー側から出てくる提案に納得できるのであれば、もう少しゆるい形態のレストアメニューが個別に生まれてくる可能性はあるのではないでしょうか。もしくはオーバーホールの範疇で対応してもらう等の提案があるかもしれません。
好評だった事前説明会に続き、西日本のユーザーへ向け、マツダ本社(広島)での説明会の開催が予定されており、12月22日頃にアナウンスされるそうです。
なお、この説明会は、参加しないとレストアサービスが受けられない(もしくは受付順位が下がる)というものではなく、事前にアナウンスがあったとおり、あくまでもレストアを希望するユーザーとのコミュニケーションの一環であるとの位置づけです。
ともあれ、マツダのレストアサービスの受け付けは開始されました。ぜひサイトを開き、国産車としては稀有なサービス、その歴史の始まりを覗いてみてはいかがでしょうか。
(古川教夫)
【関連記事】
マツダの「NAロードスターレストアサービスの事前説明会が12月に開催。参加申し込みは11月17日から11月26日
https://clicccar.com/2017/11/10/530203/
【関連リンク】
マツダ 初代ロードスターのレストアサービス
http://www.mazda.co.jp/carlife/restore/