デンソーとブラックベリーが自動車用統合ヒューマンマシンインターフェースのプラットフォームを共同開発

2018年1月にアメリカ・ラスベガスで開催されるCES(国際家電見本市)において、日本の大手サプライヤーであるデンソーがカナダのブラックベリー社と共同開発した、自動車用統合ヒューマンマシンインターフェース(HMI)のプラットフォームを載せたデモ機を公開することを発表しました。

メーター、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)、インフォメーションディスプレイといったHMIについては、それぞれの特性の違いから別個のマイコンによって制御する方式が取られています。これは、メーターであれば信頼性が重視されますし、インフォメーションディスプレイには先進性が求められるなど、異なるニーズに応えるためです。つまり、個々のHMIごとに独自のOSを持っている状態といえます。

そのため複数のHMIを連携・協調させることは難しくなっています。そこで、デンソーはブラックベリー社の「QNX Hypervisor (ハイパーバイザー)」と呼ばれる仮想化技術を使い、特性の異なる複数のOSを独立化させつつ、一つのマイコンで統合制御することが可能としました。これによりHMI同士を複雑に連携・協調させることが可能になるといいます。

結果として、ユーザーとしては充実した、わかりやすいHMIが手に入れります。また、統合プラットフォームはコストダウンにつながります。なお、この開発においてキーとなるのがインテルの Atom® プロセッサー A3900シリーズ、同社の協力も、このプロジェクトには欠かせないファクターといえそうです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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