80年代を駆け抜けた超強烈インパクトな関西チューナー、クロキンZのMr.Mこと光田勝利とは?【OPTION1981年8月号より】

男気に惚れて集う仲間がMレーシングの強烈なパワーだ

「社長? あれはどうしようもないクルマ好き。クルマに始まってクルマで終わっている人や」というスタッフたち。「顔は怖そうなオッチャンやけど、話をしていくと外見と中身が全然違う。ごっつう厳しい人だけど人情家で気一本で、クルマに打ち込んで熱中している男らしさが凄く伝わってくる。関西で商売やってる人って、割とそういうところがあるけど、この人は中でも特別ですわ」とも言う。

「速い店は儲かってないよ。たとえ見積もりに入っていなくても、あとココやれば速くなるっていうのが分かっちゃってると、ナイショでついついやってしまうんや」。Mr.Mは江戸っ子並みの気風のよさが心情だ。また、「ワシはよく人に騙されるねん。単純やからすぐ人を信じるほうなんや。でも振り返ってみて、騙すより騙されてきたほうが良かったわな。そのおかげで商売もやってこれたんや思うわ。ホンマ、情にはもろいねん。ただ、筋は通すけどな」。

チューニングのウデもさることながら、そんなMr.Mの男気を慕い、仲間が集う。「目標はゼロヨン11秒台! 来年はGTS仕様のZで鈴鹿の500km耐久レースにも出てみたいわ。ナニワ・チューンの底力を見せたるでぇ!」。光田勝利、もうすぐ40歳の声を聞く。しかし、クルマとスピードに賭けるその心意気は、まだまだ燃え尽きるところを知らない。

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1981年にこのMr.Mの素顔を紹介した後も、OPTではゼロヨンや谷田部最高速、サーキットの草レースで活躍するMr.Mの姿を追っています。今後のPlay Back The OPTIONでも度々登場してくれることでしょう! あらためまして、Mr.Mこと光田勝利さんに、黙祷。

[OPTION 1981年8月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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