OPTIONは最高速だけじゃない! スキャットDRAGも熱かったあの頃……【1981年11月号より】

VWフライング・ミッキー by 石田信広
欧州車クラス 1位 タイム:11秒79

超ドラッグ仕様がクラストップに輝く!

ヨーロッパ車クラスは、本命ワーゲン・ドラッグスターのフライング・ミッキーが優勝した。エンジンはフラット4のフルチューン。アメリカはFFエンタープライズのドラッグチューンユニットで、200ps/1万rpm!!のパワーを2Lの排気量で得る。

ボディ前部はやはり、アメリカ製のドラッグFRPパーツ。ルーフは低く切りつめられ、徹底した軽量化で車重は600kgと超軽量だ。タイヤはミシュラン135をフロントに、リヤはミッキートンプソンのドラッグスリック650-15。フロントアップ防止用のウイリーバーが泣かせる。

GTS仕様Z by 光田勝利
国産車クラス 2位 タイム:12秒44

黒金Z、メチャ重ボディにも負けず2位GET!

M.VERY.SPECIALを自認する、MレーシングのシンボルカーGTS仕様Zが実力を発揮、12秒44をマークした。鉄製オーバーフェンダーはド迫力だが、本来は最高速用だ。ゼロヨンじゃ重いだけ。とにかく1tを超えるメチャ重いだけ。

とにかくこのボディでこのタイムだから、完全に参るゼ! エンジンは3131cc、キャブはお得意のウェーバー48φだ。カムはマル秘だが、ムチャクチャ大きい。ステンレス製のタコ足に78φのメガホンでパワーは推定350ps! 足はコニに日産レース用コイルで固める。タイヤはフロントがピレリP7・205/50VR14、リヤは特製レース用ホイールにダンロップ・レーシング305/635-13ウエット用を履く。

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モノクロページの速報で掲載された、OPT初のスキャットDRAG紹介記事でした〜。

今、DRAGレースが行われているのは、サーキットでは静岡・富士スピードウェイ、兵庫・セントラルサーキット、大分・オートポリスなど。北海道や茨城などの飛行場は使用不可になってしまっているところが多く、なんといっても宮城・仙台ハイランドDRAG専用コースが消失してしまったことは、関東や東北のドラッガーにとってはイタイです。

しかし、栃木・もてぎサーキットの、オーバルコースのストレートを使った、ゼロヨンではなくゼロサン(0-1000ft=約300m)を競う、もてぎサーキット主催のシュートアウトや、トラスト主催のトラゼロなども行われています。

そして、今年11月にはOPTION誌と姉妹誌Gワークス誌主催のスーパーDRAGフェスティバルが、兵庫・セントラルサーキットにて開催されるなど、まだまだ熱いDRAGの世界。

今回紹介した1981年に出されているタイムは、いまやストリート仕様でもクリアできてしまうほどの進化を遂げているクルマのクオリティ&パーツの完成度! 変わらないのは、タイヤスモークと濃い目のガスの心地よい香り! ギャラリーするだけでも十分、楽しめますよ!

次回もまたまた熱〜いDRAGネタ。Daiちゃんが、またもや!? やらかしています。

[OPTION 1981年11月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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