【新車】新型リーフ発表を聞いた旧型オーナーの心のボヤキ その3「いま、リーフはディーラーで試乗できる? できないときのチェックポイントは?」

1つ目のチェックポイントはドライビングポジション。今回の新型リーフは、ワンペダル操作が売りの一つであり、アクセルペダルの微小な操作がやりやすいことが結構大切です。そのためにも、正しいドライビングポジションをとることが大前提ですし、かつこのドライビングポジションには正解があるのです。

シートへ深く腰かけて、アクセルとブレーキペダルがしっかりと踏みこめる位置になるよう、お尻の前後位置を調節する、そこからステアリングホイールを少しひじが曲がるくらいの位置にくるよう、背もたれの角度と、ステアリングホイールの前後位置を調節していきます。そして、ステアリングホイールを9時15分で握ったまま、180度回したときにヒジが伸び切らない、その姿勢がベストポジション。

初めてだと、ステアリングホイールが近くて結構窮屈に感じると思いますが、実はこれが「長時間運転しても疲れない」姿勢なのです。人間工学を研究して割り出したベストなポジションですので、ぜひ一度やってみてください。クルマの動きをカラダで感じられるようにもなりますよ。

さて、新型リーフは、とりたい運転姿勢がびしっと決まり、非常に落ち着きが良いです。視線がやや高めなのですが、旧型リーフよりは若干さがったように感じます。フロントのクルマの見切りは、「出目金」と揶揄された旧型リーフのヘッドライトがなくなった分、見えにくくはなりましたが、あれはなくなって正解でしょう。オーナーとしても、あの「でっぱり」は見て見ぬふりをしてきましたので。

さらにそのままの姿勢で、カーナビゲーションやエアコン、ハザードランプ等が操作しやすいか、チェックします。こちらも好印象でした。カーナビゲーションやエアコンのスイッチが分かりやすいボタンで設置されていて、手探りでも操作がやりやすいのです。つまり運転中でも視線を移動せずに触感で操作ができます。

運転中のスイッチ類の操作はNGなのはもちろん分かっておりますが、「どうしても」操作しないとならないときもありますよね。そんなとき、昨今流行りのタブレットのような液晶タッチパネルのナビゲーションには、私は断固反対なのです。なぜなら必ず目視が必要となるから。運転中の視線は進行方向を向いていたいのです。今や、追突事故防止装置が付いたとはいえ、よそ見でヒヤッとすることはまだゼロではないですよね。

もしくはステアリング上のスイッチに操作機能をすべて設定することを期待します。ちなみに、新型リーフに限らず、日産のステリングスイッチは、数が最小限で配置も分かりやすく、直感的に操作ができるので、すぐに覚えられます。

2つ目のチェックポイントはシートの性能。シートには、背中を支えるホールド性、座り心地の良さを表す尻下のクッション性、クルマ側からの突き上げを吸収する振動吸収性、が大切な要素です。停止している車で分かるのはホールド性とクッション性の2つです。

まず、背中を支えるホールド性。 新型リーフはサイドサポートの張り出しがそれほど大きくありません。それでも、座ったときに、「すぽっ」と包まれる感覚がありました。これは、背中全体がシートバックにそっとめり込むようにはまり、背中からわき腹に掛けてサイドサポートがうまく身体にフィットし、上半身がしっかり支えられているためです。ラウンド形状が絶妙によいのでしょうね。

肩までがっちり支えるスポーツカーのシートとは違い、必要な部分のみを支えてくれる、良い形状だなと感じました。ただし、中肉の男性の私にとって丁度よいということは、女性にとっては緩いのかなと思います。新型リーフを販売していく世界中の人に合わせるには、腰回りに調節機能があるとよさそうですね。

続いて、座り心地の良さを表す尻下のクッション性。 こちらも素晴らしく印象が良かったです。座り始めのシート表面がふわっと柔らかく、そして体重をかけていくと硬めになり、奥でお尻を丸く支えてくれます。これは、クッションの厚みを十分に確保できていて、表層のウレタンと底部のウレタンを分けた2重構造になっているのではないでしょうか。

出来の悪いシートだとすぐに底着きしてしまい、ただただ硬くて安っぽいシートになってしまいますが、リーフのシートは良い塩梅にできていると感じました。でも実は、横に置いてあったノートNISMOのシートの方がサポート性もクッション性も優れていましたけどね。。

また、後席のシートはぜひ注目してください。後席の方がクッション性は良いですよ。

この記事の著者

Kenichi.Yoshikawa 近影

Kenichi.Yoshikawa

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイラインやフーガ等のFR高級車の開発に従事。車の「本音と建前」を情報発信し、「自動車業界へ貢献していきたい」と考え、2016年に独立を決意。
現在は、車に関する「面白くて興味深い」記事作成や、「エンジニア視点での本音の車評価」の動画作成もこなしながら、モータージャーナリストへのキャリアを目指している。
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