80〜90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第12回は、希有なミドシップカーを身近な存在にしたコンパクト・スポーツに太鼓判です。
省エネブームの中、ファン・トゥ・ドライブなスポーツを模索していたトヨタが、1984年、FF車開発の中で生まれた高性能エンジンを使い、まったく新しい発想のコンパクトスポーツとして発表したのが初代のMR2です。
緩いクサビ型のボディは、パーツを共用する80系カローラに似たクリーンな面を持ち、濃いグリーンのイメージカラーとともに、このクルマがストレートな情緒よりもある種の落ち着きを目指していることが分かります。
低いながら一定の厚みを持たせたフロントノーズと、カローラセダンに類似するリアパネルは、スポーティなボディでありつつ、同時にどこか端正な佇まいを醸し出します。