ホンダの高速道路自動運転は、数多くのセンサーを用いてきめ細かい制御を行なう【自動運転システム試乗】

試乗コースは栃木研究所の高速周回路で行われました。合流路で40km/hまで手動運転し、ステアリングスポーク右側にある自動運転のスイッチをオンにすると、自動運転モードになります。ちょうど高速道路の流入路で自動運転に切り替えたような状況です。

自動運転がオンになると本線に合流しながら加速を行います。本線上に低速で走っている先行車があれば、自動的に追い越して前に出ます。さらに渋滞を模した先行車に追いついた際は減速し、渋滞追従モードに移行します。

渋滞追従モードになると、それまでは規制されていたテレビの視聴などが可能になります。試乗時はテレビ会議を模した状態となり、モニターに映し出された女性とライブで会話をすることができました。

渋滞が解消しドライバーが運転を確認しなければいけない状態となったかどうかは、車内のカメラで視線や顔の向きなどで判断され、渋滞解消と判断されればモニターは自動的に切断されます。

クルマは高速道路の流出に向かって、車線変更をして行きます。やがて、クルマからドライバーに運転が渡されるため、ステアリングスポークのインジケーターとメーターパネル内のモニターで操作が促されます。


今回の試乗ではあらかじめ設定された部分もありましたが、かなりスムーズで実用に耐えうる自動運転を体験することができました。

不安定な要素や突発的な事態が介入してきたときに、どこまで対応するのか? が自動運転の実用化に大きく影響してくるのは間違いありませんが、まずは基本的な部分は着実に進化しているのだな、と確認することができる試乗となりました。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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