「勝った者が最強」を実践!室屋選手が最速のライバル達に勝利して千葉ラウンドを連覇【レッドブル・エアレース2017】

HEAT1:ニコラス・イワノフ(予選10位)vsマット・ホール(予選5位)

先攻は予選10位のイワノフ選手。序盤順調に飛行しますが、ゲート7で+2秒のペナルティ(インコレクトレベル)を受け58.057。後攻のホール選手は2秒のマージンを守る安全策に走らず、55.459で勝ち上がります。

HEAT2:ペトル・コプシュテイン(予選11位)vs室屋義秀(予選4位)

室屋選手と対戦するコプシュテイン選手は先攻。予選とほぼ同タイムの55.597を叩き出します。室屋選手はコースインの際スピードに乗りきれず、序盤に遅れます。第3計測点で逆転したもののゴールタイムは55.590。わずか0.007秒差という稀に見る僅差はコプシュテイン選手によると「スピンナー(プロペラ付け根のカバー)分の差」で、室屋選手が辛勝します。

HEAT3 ファン・ベラルデ(予選9位)vsカービー・チャンブリス(予選6位)

先攻ベラルデ選手は好スタートで序盤リードしますが、57.012と今一つタイムは伸びませんでした。後攻チャンブリス選手は最初の計測区間こそベラルデ選手に奪われますが、55.234という大差で勝利します。昨年千葉で3位に入ったベテランの健在ぶりを見せました。

HEAT4 ミカエル・ブラジョー(予選12位)vsマルティン・ソンカ(予選3位)

先行ブラジョー選手は56.037と予選タイムを上回るアタックを見せましたが、後攻ソンカ選手は54.787というこのラウンドの最速タイム記録します。ランキングトップが実力を見せつけて勝ち抜けます。

HEAT5 ピーター・ポドルンシェク(予選8位)vsマイケル・グーリアン(予選7位)

先行ポドルンシェク選手は2秒ペナルティ(ゲート7:インコレクトレベル)を受けてしまい58.008と苦しいタイムになりました。後攻グーリアン選手はスラロームを流れるようなフライトを見せ56.380を記録、ラウンドを勝ち抜けました。

HEAT6 クリスチャン・ボルトン(予選13位)vsマティアス・ドルダラー(予選2位)

先攻ボルトン選手はコース両端のターンで失速気味となり、直線区間に運動エネルギーを繫げずにタイムをロス、ペナルティ無しも59.044と沈みます。後攻ドルダラー選手は王者の貫録を見せつけ、55.805で勝ち抜けます。

HEAT7 フランソワ・ル・ボット(予選14位)vsピート・マクロード(予選1位)

先攻ル・ボット選手はミスが無い飛行で57.331で記録、この機体での最後の挑戦を終えました。後攻マクロード選手は抜群のスタートから55.209で圧勝を見せつけました。

予選タイムは全体が非常に接近していたにも関わらず、このラウンドの勝者全てが予選上位者という「全く波乱無し」という逆に異例の展開となりました。そして、次に進む「8人目」は室屋選手に敗れたコプシュテイン選手となりました。

2015年のチャレンジャークラスで千葉を制しているダークホースが「死に体」から「最速の敗者」としてラウンド・オブ・8へ勝ち上がりました。