ほどよいパワーとサスの動きが気持ちいい。4番目の90シリーズ「ボルボ・V90クロスカントリー」【VOLVO V90Cross Country試乗】

今回の試乗では上り勾配のキツい碓氷バイパスを通りましたが、不満は感じませんでした。組み合わされているミッションが8ATということもあり、きめ細かい変速で効率よくトルクを引き出してくれるのも大きな要因でしょう。

V90クロスオーバーはV90に比べて車高が55mmアップされています。装着されるタイヤはミシュランのラティチュードスポーツ3でサイズは235/50R19。V90のタイヤサイズは255/35R20なので、これよりも2サイズ細い設定となっています。

しかし、トレッドはフロントが+35mm、リヤが+25mmとなっています。実際に走らせてみるとクルマ全体としてみれば安定感は高く。V90に対しても優位なイメージです。乗り心地という面ではV90よりもいいフィーリングです。

V90クロスカントリーには走行モードをエコ、コンフォート、ダイナミックと3段階に切り替えられる仕様となっています。通常は、エンジンやシフト、ステアリング、ESCなどの制御特性が変わるだけですが、試乗車はエアサス仕様だったので、足まわりのセッティングも変更されます。

エコモードにするとかなり柔らかくなりそうなイメージですが、エコモードでも十分にきっちりとしていて、ワインディングでも気持ちよく走ることができます。

今回のV90クロスカントリーの試乗で、ひととおりの90シリーズを試乗しましたが、このV90クロスカントリーがサイズ感、パフォーマンス感ともに日本の道路との親和性が高いと感じました。国産のステーションワゴンが少なくなっている今、上級ステーションワゴンが欲しいという方は、一度検討してみるといいモデルであると言えるでしょう。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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