「セクシー・ダイアモンド」でトヨタの壁を越える!C-HRのチャレンジ・デザイン(前編)

これがトヨタ車!? と、多くのユーザーに大きなインパクトを与えたC-HR。そのスタイルの意図についてを聞くチーフデザイナー・インタビュー。まず前半はコンセプトを中心に伺います。

── プレスリリースやトヨタのHPに掲げていますが、今回デザインについて「妥協しない」「ギリギリまで追求する」とは、どのような意図があったのでしょうか?

「狙いとする表現、印象、質感を達成するまでは、手を止めない。必要であれば、TOYOTAのカベを超えること。常識を壊すところまで、決して後ろの走者(開発の後工程部署)へバトンを渡さない、という意識でした」

── 今回の造形上のコンセプトは何でしたか? また、そのコンセプトを考えた理由は何でしょうか?

「造形テーマは「セクシー・ダイヤモンド」です。その前に、車両のデザイン・コンセプトは「センシュアル スピード-クロス」、つまり、「逞しい足回り」、「キビキビとしたスピード感」、「大人の色気」を表現し、圧倒的な個性、独自性を訴求するのが狙いです。この「逞しい足回り」を表現するため、タイヤを張り出させ、スタンスの良さを演出するアイディアとして、造形テーマ「セクシー・ダイヤモンド」に着想しました。平面視で四角いボディを45度回転すると「前後方向にひし型」になってタイヤが4隅に張り出すという立体構成を発案。全長、全幅からはみ出す部分を切り取るとそこにまたダイヤモンド形が現れます。これがダイヤモンドモチーフの原点です」

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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