昨年5月にはトヨタ自動車が、同8月にはボルボが自動運転車の共同開発で「ウーバー」と提携しました。
米GMは米配車大手の「リフト」に出資、フォードもライドシェアのベンチャー、米チャリオットを買収するなど、自動車大手がこぞってカーシェアリング事業への参入に積極的な動きをみせています。
ウーバーは自動運転の実現に向けたプラットフォームを提供する「モビリティ・サービスプロバイダー」であり、乗用車生産の経験が無く、製造自体が極めて難しいことから、自動車メーカーの協力を必要としています。
今回ウーバーとの提携を発表したダイムラーは、自動車の発明会社として、「CASE」(Connected/Autonomous/Shared&Services/Electric)という4つの新たな企業戦略の元、モビリティ社会の再構築を目指しているそうです。
同社はウーバーの配車システムを活用して、自動運転車の開発を加速させるのが狙いとみられ、また、ウーバーも「ロボットタクシー」実現に向け、自動運転による配車試験を既に始めるなど、事業化に向けた車両を確保する思惑がある模様。
新聞報道によると、ウーバーは自社配車サービスのプラットホームを公開し、それに基づきダイムラーが自動運転車を開発、ウーバーの配車ネットワークを使ってライドシェア事業を展開するようです。
こうした動きの一方で、既存タクシー業界からの反発が世界的に表面化しています。
ウーバーが2013年に進出した台湾では同社を「違法なタクシー業」と見做しており、1月に無許可営業に対する規制強化を目的に新法が施行され、同社は2月10日以降、台湾での営業停止に追い込まれたそうです。
通常のタクシーに比べ、1-2割安い料金や利便性を武器に支持を広げたものの、免許制に基づいて営業しているタクシー業者が「不公平」として反発している模様。
日本でも一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「白タク」は道路運送法で禁止されており、例外的に認められているのは公共交通機関が少ない「交通空白地」や、一部の国家戦略特区のみとなっています。
こうした既存タクシー業界との摩擦や法規制への対応が、今後のライドシェア事業展開における大きな課題といえそうです。
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